一時払保険の活用法。資産を守るのは投資も保険も同じ?

投資ブログなのに保険?

と思われるかもしれませんが、

投資と保険は実は切っても切れない関係にあります。

保険商品は必要以上に過剰な保障をつけた
「コストパフォーマンスの悪い」ものも目立ちますが、
そうではないものも少ないながらあって、
その中には資産を「守る」ために使えるものもあります。

この記事の「一時払保険」も、活用法によっては
メリットがあるので、中身を検証してみたいと思います。

一時払保険の前に、保険と投資の関係について

僕は投資を伝えたいためにこのようなブログをやっていますが、
だからと言って保険は無関係で、無視していい、ということは言えません。

なぜなら、どちらも生活(資産)を守るという意味では同じだからです。

だからといって、なんでも保険に入ればいいというものでもありません。

というか、むしろ保険ほどじっくり検討しないといけない商品も
なかなかないからです。

保険の(入り方の)プロに言わせると、保険は

  • お金が足りなくなる順に考える
  • 必要最小限の保障を、低コストでかける

が鉄則で、僕もこれには同意見です。

正直、普通の家庭であれば遺族保険や企業年金なんかも合わせれば
生保は月3千円程度の掛け捨てで十分だし、
コストの高いガン保険なんてのも、基本はいりません。

お祝い金付きの保険なんかも全く不要で、これなどは
元本を取り崩してでも毎月分配するファンドに似ていますね。

(ちなみにお祝い金は保険料から支払われていますので
元々財布の中にあったお金が行って帰ってくるだけの話。
特別分配金も同じです。)

変な欲を出さず、質実剛健にいけば
保険料が月1万を超えるなんてありえないわけです。

富裕層は生活コストが高いので保険をかけるべき、というのも大嘘で、
富裕層こそ、いざという時のお金は十分あるので
無保険でもOKなぐらいです。

いざという時に高額な保険でなんとかしなくちゃいけないような
高コストなライフスタイルは、本当に自分にとって必要なのか?
と考え直す必要のほうが大きいでしょう。

「本当に裕福な人」は決して「金遣いは荒くない」ですから。

こうして見ると、

コストの高いファンドは要らない!

という投資の基本と、保険の選び方は
なんだか通じる部分がありますね。

ちょっと中身は違いますが、個人の立場からみれば
ポイントは同じなのかなと思います。

でも、平均保険料が月額3〜4万円というデータもあるようで、
一般的にほとんどの人が掛け過ぎなのは明らかでしょう。

そもそもインデックスファンドで投資コストを抑えたいという人が
毎月保険で何万円もの支出があるようでは
本末転倒なわけです。

その意味で、僕のような個人であっても、
正しい情報を発信していく意義はあるだろうと思うわけです。

一時払保険とは

さて、本題に戻って、今回は一時払保険についてです。

毎月の保険料の話題を出していたので
一時払保険(最初に1回払うタイプの保険)の話?
と思われたかもしれませんが、
一時(一括)払いと月払いは利回りを想定した上で同じ土俵で比較できますから
まずはシンプルな方から入ってみます。

一時払保険は、最初に一括で保険料を払込めば、
あとは経過年数に応じて保険金と解約返戻金が
変化していくタイプの保険です。

一時払保険の保険金と解約返戻金の一例
  5年 10年 15年
死亡保険金 25歳 100 120.3 133.83
45歳 100 112.59 120.98
65歳 100 106.41 110.68
解約返戻金 25歳 100.88 104.19 106.89
45歳 100.88 104.12 106.6
65歳 100.88 103.86 105.63

表は第一生命のグランロードVという商品を参考に作成しましたが、
死亡保険金がそこそこ増えていくのに対し、解約返戻金はほとんど増えません。

保険会社はボランティア団体ではありませんので、
たくさんお金が帰ってくる=保険会社にはそれ以上のメリットがある
という意味になります。

同じ時点で返戻金より死亡保険金が多いというのは、
実際にはまだ長生きしますよ、と保険会社が考えていることになります。
(契約者が生きている間は、運用で保険会社に利益がでるため)

その時点でどれぐらいの余命があるかによって、
返戻金と保険金の違いが現れます。

そのような「理屈」が分かっていれば、
契約開始年齢が高くなるほど、同じ期間経過後でも
保険金額の伸びが低下してくる理由もわかりますね。

また、この保険は若い人が加入すると、
同じ期間でより大きな保険金が手に入りますが、
11年目以降はそれ以上保険金が上がりません。

となると、若い人ほどその後の運用益を取り逃がす(機会費用が大きくなる)ので
早く契約することで単純にメリットがあるわけではないということもわかります。

一時払保険の活用方法

損得勘定は置いておいたとしても、
保険金自体は本人にとっての旨味はありません。

また、本人にとっては解約返戻金が多ければ
投資としてのメリットがありますが、
25歳から加入しても15年(40歳)時で
+6.89%というのは複利年率にして0.45%程度であって、
長期投資としての旨味も、ほとんどありません。

(この程度の利回りなら現在の国債でも十分でしょう)

このタイプの一時払保険のメリットは、
純粋に「相続時の節税」ですね。

相続時、保険金については法定相続人x500万円分の
基礎控除枠がありますから、その枠内であれば非課税となります。

例えば法定相続人が2人いるとしたら
500x2=1000万円分
の保険金が非課税で相続できます。

保険会社もこのことを理解しているのでしょう。
告知不要・医師の診断書不要で入れる一時払保険というのも、
実際にあります。

来年(2015年)から相続時の基礎控除枠が
3000万+600万x法定相続人数
と、従来よりも控除枠が小さくなりますから、
こういう、保険を使った節税枠もしっかりと理解したいところです。

ただ、最近この基礎控除が減る話ばかりされて
焦っている人も多いかもしれませんが、
だからといって焦る必要はありません。

例えば配偶者控除枠の1億6千万円もしくは法定相続分のうち大きい方
以内の資産を配偶者が相続する場合、配偶者は非課税になりますので
そちらの節税効果が高いからです。

そのあとで、配偶者にじっくりと考えてもらう手もあります。

配偶者が資産を消費すればその分課税資産が減って相続税も減りますし、
土地や建物などは評価額で決まりますから、将来価格が下落すると予想するなら
課税を先延ばししたほうが賢明です。

一方で、子へは2段階に分けて相続したほうが
トータルの税額が少なくなる場合もあって、
相続対策というのは結構難しいです。

だからこそ焦るのはよくなく、
じっくり腰を据えて考えるべきでしょう。

一時払保険は投資というよりはあくまでも相続税対策ですから
若いときから急いで契約する必要はありませんが、
いずれにせよ節税枠が広がれば選択肢が増えます。

知っておいて損はないでしょう。

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