住宅ローンは繰り上げるべき?40代で破綻しないためのローンとの付き合い方。

日々、ライフプランと向き合っていると、
やはり住宅ローンをかかえて心配されている方が
多くおられることに気付かされます。

僕はローンアドバイザーではないので、
どこの銀行がいいとか、借り換えの詳細手続きとかは
特に詳しくないですが、ライフプランを改善していく上で
気をつけるべきことは分かります。

ということで、今日はその視点でお話します。

そもそも住宅ローンとは?

住宅ローンとの付き合い方を話す前に、
そもそも住宅ローンのことについて
分かっていないといけません。

既にローンを組んでいる方は
知っていることもあると思いますが
復習を兼ねて書いておきますね。

変動金利と固定金利

住宅ローンには変動金利と固定金利があるのは
よくご存知かと思います。

ここにさらに、変動金利の期間、固定金利の期間等の
特約がついて、いろいろなパターンのローンを
組むことが出来るようになっています。

ただ、それは組み合わせの話であって、
あくまでも変動か固定かということに
代わりはありません。

変動金利と固定金利の二つを併用する
ミックスローンというのもあって、
これを販売している銀行もあります。

一般論として、変動金利の方がローン申し込み時の金利は低いですが
長期に渡ってリスクが低い(金融リスクでいえば、リスク無し)のが
固定金利です。

ローンは長期戦ですから、
当初の返済額だけに目を奪われず、
全体を通した借り入れ戦略が必要になります。

団体信用生命保険

よく団信とか言われますが、
これは債務者に万一の事があった場合、
その時点の債務残高に相当する
保険金が出る生命保険です。

旦那が死んでも家が残る、というのは
この生命保険があるからですね。

民間銀行の普通の借り入れであれば、
団信は強制加入ですが、例えばフラット35とかは
団信は任意となっています。

この団信保険料を抑えるという手もあります。

生命保険料といっても、借入額によっては
数百万円ぐらいになることもありますから、
借り入れの際はよくよく検討してみてください。

というか本来は、ローンもひっくるめて
必要保障額を計算し、ライフスタイルに合わせて
経済合理的な生命保険に入るのがいいんですけどね。

だって、共働き世帯が半数を超えたこの時代に、
旦那だけ団信に入るって、、
よくよく考えたらおかしいですよね?

じゃぁ嫁さんにも同じ保険をかけます?
というと、それはそれで無駄が多いでしょう。

そもそも団信の保険料が合理的とも言い切れないわけで、
住宅ローンの隠れコストの一つになっています。

何千万円という金額に意識が行ってしまい、
数十万円、数百万円のコストがあっても、
気づきにくいんですね。

こういうところにも、
昭和の「名残」が残ってしまっています。

日本は「リコース」ローン

ややこしい専門用語や仕組みを覚える必要はないですが、
日本の住宅ローンの場合、返済ができなくなったときに

  • 住宅(土地、建物)財産の差し押さえて抵当権を実行し
  • 競売による売却益からローンを返済し、残りは債務者が引き続き返済する

ということになっています。

問題は、競売の売却益でローンが完済できればいいんですが、
そう、うまくは行きません。

競売ではそもそも足元を見られていますので、
それほど高く売れるわけではないからです。

ひどい場合には二束三文の値段しかつかず、
ローンの大半が残ってしまう…という事態も
想定しておかないといけません。

よく「日本はローン地獄だ」と言われたりしますが、
それはこういう仕組みになっているからですね。

「借りた金を返さない方が悪い!」

という意見ももちろんあるのですが、
この返済方法が世界標準というわけでもないようで、
例えばよく言われるのが
米国の(事実上の)ノンリコースローンですね。

これは、返済できなくなった場合は
銀行に担保(土地、建物)を提供すれば
その後のローン返済はなし、というものです。

(家から立ち去るだけでいいので、
ウォーク・アウェイと言われているそうです)

「エライ、債務者に都合のいい制度じゃないか!?」

と思われるかと思いますが、
これはこれでウォーク・アウェイすると個人の信用ランクが
低下してその後の不利益があったり
そもそも借り入れ利息が高かったりと
一筋縄ではいかないみたいです。

特に米国はクレジットカード社会ですから、
信用ランクが落ちてしまうと普段の買い物にすら
支障をきたしかねません。

債務者に有利にばかりすると今度は
モラルハザードの問題が出てきますので、
一定の歯止めはある、ということですね。

まぁ、一旦ゼロにして再起できる環境というのは
確かにいいかもしれません。

とまぁ、米国の話はともかく、日本は
家を手放した上に最後の最後まで
返済しないといけませんから、
ローンには細心の注意が必要です。

住宅ローンの返し方

ということで、住宅ローンとどう付き合うのか?
どう返していけばいいのか?

個々の対応は個別にライフプランを
見ていかないといけないのですが
一般的に押さえておくべきことをお話します。

なお、ネット上には

「とにかく利息が軽減されるから繰り上げ返済しろ」

とか

「繰り上げ返済せずにローン金利を上回る運用利回りが出せればOK」

とか、いろいろ意見があります。

が、多分今回の話でこのあたりの議論は
スッキリするはずです。

期間短縮型

期間短縮型とは、月々の返済額を変えず、
繰り上げ返済の資金で元本を減らして
返済期間を短縮するものです。

住宅ローンは長期債務で、複利効果が効いていますから、
一般的に金利軽減効果は期間短縮型の方が大きいです。

その代わり、それを実感できるのは
ローンを完済してから、ということになります。

返済額軽減型

返済額軽減型は、返済期間を変えずに
繰り上げ返済資金で元本を減らし、
その後の元利金を軽減させることで
毎月の返済額を減らす返済方法です。

期間短縮型とは異なり、利息の軽減効果は低いですが、
毎月の返済額が減るため、
効果をすぐに実感できるのがメリットです。

あなたの家計、債務超過ではないですか?

で、最後に一番気をつけておかないといけないのが、コレです。
繰り上げ返済するかしないかの一番のポイントになります。

よく、今は低金利だから利息軽減効果が低く、
繰り上げ返済しなくていいよ、という話も
ちらほら聞かれます。

言っていることは間違いではないのですが
それを鵜呑みにしたら危険です。

先程も話たとおり、日本では家を手放しても
大半はローンが残ります。

そもそも、ローンの返済が出来ないというのは
収入が激減する等の困った状況にあるわけで、
それでも返し続ける必要があるというのは
本当に辛い話です。

辛いだけなら耐えればいいですが、
耐えきれないかもしれません。

だから、家族を路頭に迷わせたくないのであれば
絶対この状況に陥らないように
しておく必要があります。

これって「損得以前の問題」ですよね?

繰り上げ返済したら得するとか、
繰上げせずにその分運用したら得するとか、
そんな議論をする前に、
迷わずやるべきです。

診断ポイントは簡単で、
あなたの家計にある「住宅を除く」金融資産と、
ローン残高を比較して、ローン残高の方が多ければ
債務超過とみなします。

住宅を除くとしたのは、既にお話したとおり
競売ではめちゃくちゃ低い金額になりがちですし
任意売却といったって、それほど期待できる
額にもならんでしょう、ということです。

もちろん、これは地域や物件によりけりなので
実際には個別の事情もありますけど、
一般的には土地、建物の資産価値を
過大に評価すべきではないのです。

そもそもですが、家を失ったら、
家族が路頭に迷いませんか?

だから家をひっくるめて債務返済、
と考えるとやっぱり困るわけですね。

で、債務超過の状態はリスクが非常に大きいですので、
この状態を解消すべく、まずは積極的に繰り上げ返済してください。

債務残高と金融資産額が同じになった時点で、
ようやく債務超過が解消され、「ゼロ」ですよ。

そこから余裕も出て、
投資もできて…
というサイクルに入れます。

上でやんわりと積極的にと書きましたが、
僕の本音としては「必死で」と
書きたいところです。苦笑

多分「住宅ローン」という言葉のイメージが
柔らかすぎるせいか誤解を与えているんだと思いますが、
要は「多額の借金」ですから。

万一のときに返済しきれないということは、
「身の丈以上の借金をしてる」ということです。

過剰な債務リスクを、あまりにも
甘く見ている人が多いですので
これは本当に気をつけてくださいね。

返済の方法は、
先程の期間短縮型や返済額軽減型を
ライフプランの状況に応じて
うまく利用していけばいいでしょう。

住宅ローンとの付き合い方 まとめ

住宅ローンとその返済方法について、
注意すべき点をまとめてみました。

特に日本では担保(家)を提供しても
債務免除になりませんから、何があっても
自力で返していけるよう、備えが必要です。

債務超過の状態だと、一歩間違えると
ローン地獄に突き落とされますので
本当に注意してくださいね。

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