「終身医療保険は必要なのでしょうか、不要なのでしょうか?」読者からのご相談とご回答

こんにちは。林FP事務所の林です。

メルマガ読者さんから、

「終身医療保険というのは必要なんでしょうか?悩んでいます。」

というご相談をいただきました。

同じようなお悩みをお持ちの方も、
多いと思います。

匿名で公開OKを頂いていますので、
僕の回答といっしょにシェアしますね。

資産形成メルマガ

終身医療保険というのは必要なんでしょうか?悩んでいます。

ちょうど最近保険の窓口へ無料相談に行って来たばかりです。
主人(46歳)が月4000円の県民共済にしか入っていないため、
終身医療保険を勧められました。
オリックス生命の新CUREで月8568円です。

県民共済を辞めてそちらに加入しようと思っていたのですが、
先生の「保険は死亡保障のみでいい」という
お話を読んで、やはりやめておいたほうがいいのでは、と心が揺れています。
結局は自分が決めることなのですが、どうしたらいいでしょうか?

(匿名希望、K様より)

というお悩みです。

以下は、僕の回答です。

なお、特定の保険(上で言えばオリックス生命の新CURE)をさして
その是非を論じたものではありません。

あくまでも、医療保険全般に対する
僕の意見になります。

Kさん

こんばんは、
林です。

メルマガへのコメント&ご相談
ありがとうございます。

Kさんのライフプランが分からず、
なんとも言えない部分がありますので
一般論を交えながら、ご参考になりそうな
話をしてみたいと思います。

まず保険というのは
不安だから入るというものではない
ということは覚えておいてください。

保険というのは、万一の時のために
経済合理的に備える商品に過ぎません。

とりあえず保険があれば安心というものではないのです。

そして経済合理的に備えるとはどういうことかというと、
自分では用意できない大きな金額を保険で賄う
というのが一般的です。

その意味で医療保険は一般的に
生命保険ほど大きな金額が出るわけではなく、
そもそも本来の保険の価値としては低いとお考えください。

その上で、どうしても医療保険を
検討したいということであれば

・必ず損得勘定を計算する

ということですね。

あくまで金融商品ですから、
必ず損得勘定が無ければいけません。

医療費の備えとして、今預貯金が全然なく、
若いときの医療費の備えとしたいなら、
医療保険にも価値があります。

預貯金がない自分では出せない医療費が出るし、
保険料もほとんど払っていない時期に
給付がもらえれば得にもなります。

一方、老後の備えとする場合は
慎重に考えてください。

90歳まで生きるとして、
医療のお世話になりやすい80歳以降の保険給付見込み額と
それまでに払い込んだ保険料の「総額」とを比較しましょう。

それでもなお得だと思えたり、
保険でなくては無理だと思えるようであれば
入ってよしとなります。

逆に損だと思うなら、
普通に預貯金で備えればいい話です。

預貯金であれば被保険者「以外」の備えにもなりますから、
老後の医療費の備えとしては最強クラスになります。

ただし、預貯金を蓄える「仕組み」作りは
必須です。

以上のようなことを踏まえた上で、
保険は、最終的には個々人の価値観と
ライフプランを勘案しながら
決めていけばいいと思います。

それでは、
今後ともよろしくお願いいたします。

このような回答をお送りしたところ、

「ありがとうございます!気持ちが晴れやかになりました!」

とおっしゃって頂きました。

医療保険は不要か、必要か?

お金の悩みの中で、保険の悩みは特に多いですが、
その中でも医療保険はダントツで誤解されている
ものの一つです。

以下はあくまでも一般論ですが

上にも書いたとおり、医療保険自体は
存在価値がないとまでは言いませんが
死亡したら数千万円が「必ず」もらえる生命保険に比べれば
ずっと「もらいにくく」「保険金も低額な」保険になります。

保険というのは「自分でお金を出せない」リスクを回避できることが
その価値であり、自分で出せるなら保険の価値は低いとなります。

誤解を生む理由の一つに

「保険給付はタダでもらえるプレゼント」

という感覚があるからだと思います。

よく言われるのが

「病気で不安な時、ご自身の預貯金を取り崩すのは辛いですよね。
保険が出れば、預貯金を取り崩さなくても済みますよ」

というもの(セールス?)です。

ですが、よくよく考えてみてください。

給付金は、保険会社が自腹で払ってくれているのでしょうか?

そんなことはありませんよね。

あなたとその契約者が長年コツコツと払い続けてきた保険料から、
保険会社の「経費を差っ引いて」、さらにその残りの金額から
給付されているのです。

つまり元々はあなたを含む契約者のお金が
単に戻ってきているのだということを
忘れないでください。

みんなで出し合う、預貯金のようなものです。
それが保険の仕組みです。

じゃぁ、個人の預貯金で払えるものなら
シンプルに預貯金でよくないですか?

それなら保険会社に
経費を引かれる心配もありません。

保険会社は詐欺なのか?

じゃぁ、保険会社って何やってるの?
詐欺なの??

と心配をされるかもしれませんが、
別にそういうことではありません。

冒頭の保険の価値の話に戻ると

保険の価値というのは
「自分でお金を出せない」リスクを回避できること

です。

これ以上でも、これ以下でもありません。

このリスク回避の価値は、確かにあります。

だからこそ、保険会社にたくさんお金を集めておいて、
困った人にお金を戻す、という仕組みが成立するんですね。

保険会社というのはその作業や管理のために、
契約者から必要な経費をもらってビジネスをしている
と考えればいいわけです。

(さらにその経費が妥当かどうかという話もありますが
ヤヤコシクなりますのでここでは置いておきます)

ひるがえって医療保険ですが、
特に高齢期の医療費を、あなたの預貯金で
出せないということがあるかどうか?

これを真剣に考えて欲しいんですね。

ご年齢にもよりますが、高齢期まで、
あと数十年、ある方が多いと思います。

今46歳で、86歳までの40年間を
考えてみましょう。

あくまでも例えばですが
冒頭の保険が終身払だとすると
86歳までの支払い保険料総額は

8,568円x12ヶ月x40年=4,112,640円

になります。

少なくとも保険給付金が
この金額を上回る事態が想定され、
それに備えたい、ということであれば
契約を検討すればいいわけです。

想定できますか?

結論を急ぐ前に、せっかくなので
もう少し考えてみましょう。

医療保険の保険料相当額を、
例えば非常に手堅く年平均2%で
積立運用をしたとします。

細かい計算は省きますが
この場合40年後には約621万円になります。

参考:複利計算の速算表
https://h-fpo.com/?p=2042

621万円ですよ。

僕なら、どう考えたって
使うかどうか分からない終身医療保険よりも、
621万円のキャッシュの方がいいです。笑

400万円ぐらいは家族の万一のときのためにとっておいて、
残りの221万円は楽しく暮らすためのお金にします。

もし、健康なままぽっくり亡くなったとすれば、
万一のためにとっておいた400万円は
子らに相続することもできます。

子どもたちにそういう話をすれば、
「おとうさん、元気に長生きしてネ」
と言ってくれるかもしれません。笑

もちろん、あなたがどう考えるかは自由です。

医療保険だって、無価値というわけではありませんから
必要と思うなら契約すればいいでしょう。

運用するかどうかも個々人の自由ですし、
そもそも2%の運用益といったって、
絶対保証があるわけでもありません。

でも、できれば視野を広く取って、
より楽しく、楽に過ごせるライフプランを
組み立ててみてはどうでしょうか?

その方が、あなたの人生も、
あなたのまわりの人も、
楽しくないですか?

それが僕からの変わらないメッセージなんです。

こちらもご参考にしてください。

↓期間限定の無料コンテンツをお受け取り下さい

資産形成メルマガ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です