「となりの億万長者」が1973年からロングセラーであり続ける理由について
「となりの億万長者」を読了。
この本は1973年に始めた億万長者への調査データを元に
億万長者の「実態」を暴露した本で
今だに売れ続けるロングセラー本となっているようです。
僕が手にしたのは昨年改装した新版ですが
確かにこれはロングセラーであってもおかしくないね
という面白さで、最後まで一気に読み終えました。
質問です。あなたが思う「億万長者」像は?
もしあなたが
- 成功するにはもっと収入を上げなければいけない。
- 大きな家に住んでいて、高級外車に乗っている人は、金持ちだ。
- これからの時代、海外で見聞を広めれば、成功できない。
- 子供が人生の心配をしなくていいように、資金援助するのは親として当然だ。
- 母と娘が仲良くショッピングをしているのを見ると、微笑ましくなる。
という考えを持っているならば、
この本を読み進めるうちに大変な違和感を感じていくに違いありません。
この本は、世間一般の億万長者に対する固定概念を
データを元に見事に打ち砕いてくれます。
曰く、
- 億万長者は高級外車に乗らない
- 億万長者は立派な身なりを好まない
- 高額所得者=億万長者ではない
などなど…。
実際に読み進めていくと
あまりに億万長者のイメージが地味すぎて、
頭がクラクラしてきます。
マスコミが作る「ザ・億万長者」
沢山の人がテレビや雑誌を見ますが、
そこで描かれる億万長者は
- 高額所得者であり
- 金遣いが半端なく荒く
- 自己顕示欲が強い人たち
ではないでしょうか。
確かにこういう「億万長者」も居るには居ますが、
本書を読む限り「ごく少数派」ということが
たちどころに理解できるはずです。
そして本当の億万長者は
地味で堅実で、目立たない存在です。
だからイメージというのは
マスコミが勝手に作る「まやかし」だ
ということをこの本は再認識させてくれます。
しかしここでふと、ある疑問が湧くわけです。
このような「地味」本が、
なぜロングセラーなんだろうか?
と。
恐らくそれは、
「頑張れば誰でも億万長者になれる」
という普遍的なメッセージがそこにあるからではないでしょうか。
「頑張れば」というレベルにももちろんよるんですが
宝くじに当たるような幸運が無ければ億万長者になれないと
思い込んでいる人にとってこれは朗報に違いありません。
だからこそ、時代を超えて
読まれ続けているのかな、と。
なお、ロングセラーですが、データは最新のものを使っているとのこと。
米国のデータですが、得るものは多いですね。
地味だけど「億万長者」になりたい全ての人にお勧めしたい良書です。