今回の急落相場への対応は?良いことも悪いことも計画しておこう。市場に入る前に。

日経電子版に

急落相場個人に深手 下支え役、想定外の損失|日経電子版

という記事が掲載されていました。

確かに今回の局面は急落に違いありませんが、
個人投資家はこのような局面で
どう対処すべきなんでしょうか。

今回の急落は、どれぐらいのインパクトなのか?

世間は乱高下する市場に翻弄されている、
といったムードが漂っていますが、
果たしてそれは正しいことなのでしょうか。

データを確認してみましょう。

TOPIX日々変動率ごとの発生頻度

2015-08-25 18.00.18

これは、2001年から2014年までのTOPIX
(ダイワ上場投信の基準価格で代用)データを元に、
日々騰落変動率の発生頻度をグラフ化したものです。

これによれば、-2.0%から2.0%の発生頻度が圧倒的に多く、
普段はほぼこの範囲内に収まっていることが分かります。

一方、ここ数日の下落は

2015-08-25 18.00.46

のように、-5.0%を超える下げでしたから、
確かにめったにないことのように思えます。

ですが、データから客観的に分析してみると、
1日で-5.0%を超える下げは過去に約0.6%存在しました。

これは、平均すると162営業日に1回であり、
1年に1回以上の割合で発生していることが分かります。

平均的には、毎年ぐらい発生しているんですね。

言い方を変えれば、毎年どこかで
大騒ぎしていることになります。

もちろん、少数サンプルには違いないので
これを平均化して議論するのは
少々乱暴なのは承知の上です。

乱高下するときは、
短期間に大きく値動きすることが多いですから
毎年というのも言いすぎかもしれません。

ですが、少なくとも頻度分析からは
過去にも一定の割合で経験したことであり、
それほど大きく騒ぐことではない
ということが分かるわけです。

過去から学ぶこと、未来に対峙すること

このように我々は、
過去のことをよく忘れます。

過去のことをよく忘れ、まるで今回はもうダメだ
みたいな感情に支配されがちです。

これは全く逆の強烈な強気相場の場合でも同様で
今回だけは絶対大丈夫と思い込んだりもします。

(このへんのことを詳しく学びたい方は
カーメン・ラインハートらの著書「国家は破綻する」
などを参考にしてみてください。)

これは、

  • 我々人間が特によく忘れやすい生き物だということ
  • その裏返しとして、市場の動きは常に予測困難であること

をよく表している事実といえます。

ですから、今回の急落を
極端に悲観する必要もないし、
極端に楽観する必要もないのです。

投資は計画をもって

なら資産運用はどうすればいいのか?

という原点に戻るわけですが

結局「計画」を立ててそれを実行すること

これに尽きます。

市場の動きに一喜一憂せず、
淡々と実行していくことはつまらなくて、
とても退屈に感じるでしょう。

ですが、僕らは市場の動きに賭けているのではなく、
例えばインデックスであれば日本全体の、世界全体の
経済成長とそれに伴う「長期的な」株価上昇を期待しながら
投資しているはずです。

だから、日々の価格に一喜一憂すること自体が、
既におかしいわけです。

当初の計画を守ることが実は一番難しいと言われますが、
ある意味投資家としての仕事がそこに集約されていますので
ぜひ芯のぶれない投資を実行していってください。

え?僕ですか?

僕は年の後半に追加投資する計画になっていますから、
時期が来れば淡々とリバランスする「予定」です。^^

たまたま下がったところで追加投資できて、
たまたまうまくいくかもしれませんが、
うまくいくことは特に「予定」していません。

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