EXE-i グローバル中小型株式ファンドを分解調査
こんにちは。林FP事務所の林です。
世界分散投資を進めていくと、ポートフォリオの一部に中小型株も入れたくなってきます。よね?
これは単に気分の問題ではなくて、例えばMSCIコクサイなどのメジャーなインデックスが主として時価総額ベース(正確には浮動株ベース)となっているので、小型株比率がどうしても小さくなってしまうのを補うという合理的な意味があります。
ということで低コストファンドでおなじみのEXE-iシリーズにある、
EXE-iグローバル中小型株式ファンドを分解調査してみることにしました。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス・スモールキャップ
をベンチマークとするインデックス系ファンドです。
3つの親ファンドからなるファンド
EXE-iグローバル中小型株式ファンドはファンズ・オブ・ファンズ形式で構成されており、以下の3つのファンドを親ファンドとしています。
この3つの親ファンド、
- バンガード・スモールキャップETF
- iシェアーズ MSCI EAFE スモールキャップ ETF
- ウィズダムツリー・エマージング・マーケット・スモールキャップ・ディビデンド・ファンド(どんだけ長い名前やねん…)
(各リンクをクリックすると詳細ページに飛びます)
は、個人でもそれぞれ個別に購入することが可能です。ということは、EXE-iを購入するコストと、上記3つを直接保有した場合のコストを比較してみたくなるのが人情ですよね。
よね?(笑)
分かりやすいようにそれぞれのコストを表にまとめてみました。
上側の表が親ファンドのティッカー、信託報酬、およびEXE-i内の構成比です。信託報酬平均は各信託報酬を構成比で按分したときの信託報酬です。
下の表はEXE-iの信託報酬と、上記信託報酬平均との差を示しています。信託報酬だけでみると、直接保有とEXE-iでの保有とで約0.3%の報酬差があり、バカに出来ない差があることがわかりますね。
(管理報酬はここでは無視しています)
とはいえ…
EXE-iに用は無い。さっさとETFを買おう!
…となるのでしょうか。
親ファンドは海外ETFであり、日本の証券会社で購入する場合は20〜25ドル程度の購入手数料がかかります(売却する場合も同じ)。
また、海外ETFですから購入にはドルが必要であり、円からドルに両替する手数料がかかります。SBIの場合はFX経由で準備できるのでそれほど大きなコストにはなりませんが、それでもゼロではありません。
これらのコストを勘案すると、3ファンドを直接購入するには75ドル程度、日本円で1万円弱のコストがかかることになります。売却するときも同様のコストがかかりますから、これはバカにならないコストです。
信託報酬の差が0.29%ですから、100万円保有したときの年間コストは2,900円となります。となると、上記購入、売却手数料の元をとろうとすると、100万円保有したとしても5〜6年程度かかることになりますね。
さらにいうと、中小型株式はポートフォリオ全体の一部に過ぎません。海外株式クラスの補完的存在ですから、資産が5000万あったとしても、せいぜい200万程度ぐらいが適切なサイズじゃないでしょうか。
となると、上記コストメリットはかなり限定的となります。いきなり100万、200万の投資をするならともかく、毎月1万円積立とかであれば、EXE-iを積み立てるのが合理的といえそうですね。
ということで、ファンド=共同購入のコンセプトは、偉大だなということです(笑)。
ファンズ・オブ・ファンズは、僕はコバンザメ商法と思っていますが、共同購入のメリットが大きいのでこんなシンプルなスキームでも合理的になっちゃうんですね。
一つ心配があるとしたら、資産総額でしょうか。EXE-iグローバル中小型株の資産総額は2014年6月時点で約11億円です。
資産総額は順調に右肩上がりで推移しているようですから、それほど大きな問題はなさそうですが、それでも資産としてはまだまだ小さいですので、その点には注意が必要だと思います。