がんは「不治の病」から「治る病気」に。医療技術は進化する。がん保険はどうだ?

こんにちは。林FP事務所の林です。

日経に胸躍る記事が掲載されました。

10年以内、不治の病でなくなる 免疫を究めて新薬

まだ課題はあるようですが、
もしがんが普通に薬で治せるようになれば
なんと素晴らしいことでしょうか。

しかし、喜んでばかりもいられません。

医療テクノロジーと保険の
不都合な現実について。

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「治る病気」に向けて日進月歩の医療

記事を再掲しますと
10年以内、不治の病でなくなる 免疫を究めて新薬

詳しくは記事の内容をご覧頂きたいのですが、
従来の抗癌剤等とは異なり、免疫細胞に作用して
がん細胞を免疫力によって治癒させる薬。

小野薬品工業からオプジーボの名で製品化されていて、
臨床試験が進んでいるとのことです。

脚光を浴びる新たな「がん免疫療法」:小野薬品のオプジーボ

まだ始まったばかりのようですので
課題もいろいろあるようですが、
将来が期待できるアプローチであることには
間違いなさそうです。

がん保険が使えなくなる日

オプジーボに限らず、がんを薬で
普通に治せるようにする試みは
世界中で進展しているはずです。

ちょっと気が早いですが、
こうした医療テクノロジーが進歩した
将来に目を向けてみましょう。

がん保険に前向きな方へは申し訳ないのですが、
現在ご契約中、あるいは今から契約しようとするがん保険が
事実上紙切れ同然になってしまう可能性も
日々高まっていると言えそうです。

がん保険の主たる給付条件に
目を向けてみると…

1. 入院給付金はどんどん無くなっていく

医療テクノロジーの進歩は、がん治療を
入院治療から通院治療、さらには投薬治療へと
進化させています。

そう考えれば、行き着く理想形は
「風邪を治すがごとくの投薬がん治療」
でしょう。

そこに入院の「に」の字もありませんので、
テクノロジーの進歩とともに入院給付金は
減っていくことになるでしょう。

そうでなくとも、入院日数は減り続けています。

がんによる平均入院日数の推移
2016-01-12 11.38.57
(公益社団法人 全日本病院協会のデータより林が作成)

新薬の進歩がなくとも、
治療の簡素化は着々と進んでいるのです。

2. がんと診断されれば、一時金が出るだろう。

それでも、一時金がもらえるから…
と、保険会社は食い下がるかもしません。

がん保険の一時金には、

「がん診断一時金」と
「がん入院一時金」があります。

違いは、がんと診断されただけで給付されるのか、
がんと診断され、かつ入院した時点で給付されるのか、
という点。

たった2文字の違いですが、この違いは大きく
がんと診断を受けても、入院治療が不要となれば
がん入院一時金はもらえません。

「もらえると思っていた一時金が、実はもらえないことが分かった…」

ときのショックは大きいと思います。

がん保険を契約されている方は、
いま一度、確認しておいてください。

老後医療の最強保険は…

当たり前ですが、保険会社や
乗り合い保険代理店などに行って相談すれば
万が一の場合の話ばかりされて不安が増幅され
ついつい契約したほうが良いような気になります。

しかしこのように、保険の契約内容は変わらずとも、
給付条件が技術に依存していると
保険自体が時代遅れになってしまうリスクがある
というわけですね。

ゆめゆめ、
もらえることばかりを想定して
契約してはいけません。

とはいえ、万が一の不安に備えたい
というのが人情だろうと思います。

がんは老後に罹患する率がはるかに高い。
では老後のがんに備え、選択すべき保険は何か?

それは「預貯金」です。

高齢期の医療費のために、
堅実に貯蓄を重ねておく…。

みるだに地味ですね。
ワクワク感も、安心感も、
なにもあったものではありません。

しかし保険がテクノロジーの進歩に
ついていけないリスク等など…を考えれば、
先の備えであるほど預貯金が
有利になっていきます。

仮に本庶氏の言う通りにならず、
がんが治療しにくい病であり続けたとしても、
残念ながらがん保険より預貯金の方が有利といえます。

以前より、がん保険と預貯金について、
徹底的に比較してますので参考にしてください。


格安がん保険よりも強力な保険があります。しかも、あなたは既にそれを持っています。

かつて、
結核はがん同様「不治の病」と言われましたが
医療技術の進歩、特に抗生剤の進歩により
結核は薬でほぼ治せる病気となりました。

今「結核保険」はありません。

がん保険が過去のものになる日も、
そう遠くはないのかもしれません。

それでもあなたは、
がん保険に入りますか?

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がんは「不治の病」から「治る病気」に。医療技術は進化する。がん保険はどうだ?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 工藤憲雄 日本分子腫瘍マーカー研究会 より:

    がんは今でも不治の病です。ips細胞と不治のがんの両者をつなぐカギは癌胎児増殖因子です。すべての健常胎児に発現しています。発現しなければ健康な赤ちゃんとして誕生できません。
    成人のがんに発現した場合にはすべて死にいたっています(胎児期と異なり増殖制御機構が解除されている)。癌胎児増殖因子特異的抗体:平成19年2月23日特許取得。癌胎児増殖因子は癌胎児抗原とは異なります。「がんになったら人生をあきらめる」時代は今も変わっていません。「がんが死因の1位である」理由です。「がん治療をあきらめない」医師達の声に惑わされてならない。

    1. より:

      工藤さん

      貴重なご意見、ありがとうございます。

      将来、どうなっていくかは誰にも確定的なことは言えませんが、
      治療法が進歩していくこと自体は、間違いないでしょう。

      将来になったとき、現状のがん保険(契約)がどこまで使えるのか?
      FPとして、そこを重要視しています。

工藤憲雄 日本分子腫瘍マーカー研究会 へ返信する コメントをキャンセル

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