K氏発端のWeb3サービスのあり方の議論のまとめと整理
こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の林です。
先日、K氏のとある投稿から始まったWeb3サービスの議論ですが、結論が出たように思いますので、自分の備忘録としてまとめておきます。
イケハヤ氏も指摘している通り、こうした議論は1ヶ月もすればみなすっかり忘れてしまいます。その一方で(というかだからこそ)今後も同じ議論がなされる可能性もあります。ということで、ブログに残しておくのは有益かなと思いました。
また今回の件で、僕自身の理解も深まりましたので、その点も良かったと思います。やはり以前からWeb3にいて、豊富な経験や研究されてる方の考察は学びが深いです。
※できるだけ客観的な記事にするつもりですが、僕はCNPを20体以上保有しているポジションだということはお伝えしておきます。その点差し引いて読んでいただければ。
目次(タップでジャンプ)
始まり
始まりはこちらのK氏の投稿です。
厳密にはこの前に投稿がありますが、こちらの投稿が分かりやすいので引用しておきます。
※以下、投稿の引用が多いですがまとめ記事ということでご了承ください。また都度許可は取っていませんが著作権上の引用の範囲内と考えております。万一問題がありましたらご連絡ください。
K氏の主張のポイントをざっくり抽出すると
- 保有している凪紗がコントラクト移行という形で事実上没収された
- 大切にしていた凪紗(NFT)が事実上没収されたのは悲しい
- それはNFT業界にとってもよくないのではないか
だろうと思います。
この投稿をうけ、K氏を擁護する人がこの投稿を引用する形でインプが伸びていったというのが最初ですね。
ただ引用投稿を見た限り、K氏の過去の行動についてよく知らない人が、K氏の投稿だけを読んで反応しているように見えます。
K氏の今回と過去の行動の分析
まず今回のK氏投稿ですが、事実を客観的に述べているように見せて、実は事実でなかったり、あるいはK氏にとって不利な事実は伏せてあります。
まず事実関係の整理ですが、K氏はなにも没収されていません。正確にいうと「新しい凪紗が与えられなかった」ということです。それは彼のウォレットを見れば明らかですので議論の余地はないでしょう。
なお一般論として、新コントラクト移行する際、旧コントラクトのNFTホルダーに新NFTを配布するかどうかは任意です。違法性を問うている人はこの大前提が間違っている可能性がありますので、注意してください。
むしろ新コントラクト移行に際し、新しい凪紗が与えられる代わりに、イケハヤ氏から0.65ETHが与えられています。これもブロックチェーンに記録があります。この0.65ETHの扱いについて、彼は了承していないと主張していますが、この点については後ほど改めて触れます。
NinjaDAOに詳しくない人のために少し。今回の凪紗を含むCryptoNinjaコレクションはNinjaDAOにとって非常に貴重なコレクションです。NinjaDAOを代表するような、とても大きな貢献をした人に与えられる称号としての意味合いも含まれています。実際、新しいキャラクターNFTがリリースされる際は、そのオーナーをNinjaDAO内の選挙で決めたりします。凪紗を渡すかどうかの判断に関わる前提知識ですので、理解しておいてください。
話を戻して、K氏の過去の行動の分析については秀逸な投稿があります。
まさにブロックチェーンに記録が残っているからこそできる分析です。ここでいうNFTとはCNPのことです。
CNPはNinjaオーナー(ここでいう凪紗等のオーナー)へ、CNPの初期ミント権利を付与し、お願いベースで100点までとしていたようです。
K氏は権利を行使してCNPを100点を大幅に超えてミント。CNP価格が上昇した時点で大量売却した結果が上の図となります。
大量売却の是非
以前から議論されているのが「大量売却の是非」です。K氏が100点以上ミントしたことはひとまず置いておいたとして、大量に売却することの是非について触れておくことは、今回の件を理解する上で非常に重要なポイントです。
K氏の大量売却は2022年から2023年にかけて2回行われています。それ以外にも継続的に売却しています。
通常、流動性が十分ある市場で売却する分には全然問題ないと思います。逆にいうと、NFTのような流動性が少ないところで大量に売却されると暴落を引き起こし、プロジェクトの価値が大きく毀損する、つまり壊れてしまう可能性があります。
CNPはNinjaDAOのトッププロジェクトで応援者も多いですし、NinjaDAOの憧れのような存在でもあります。そのCNPを壊そうという行為は当然、NinjaDAOとしては受け入れられません。
一方でNFTの売買は自由だという意見があります。一見もっともといえばもっともなんですが、そこに議論のすり替えがあります。
例えばWeb3に限らず、転売ヤーの議論があります。新発売の商品を転売ヤーが買い占め、本当に必要な人に適正価格で届かない状況がしばしばあります。
商品を販売するクリエイターさんやファンにとって、転売ヤーは迷惑以外の何者でもありません。一方で、転売ヤーは転売の自由を訴えます。
この議論を理解するために、こちらも秀逸な投稿があります。
僕があれこれ説明するより、コムギさんの投稿読めば分かりますので、ぜひ。素晴らしい言語化力。
要はコミュニティを快適に維持するために、迷惑客は出禁にしたり、商品を誰でも買えるようにしないのはWeb3に限らずどこでもやられていることで、Web3でもそれは同じだよということ。
店内で騒ぎすぎて他のお客様に迷惑をかける人を出禁にしたり、コミュニティにとって迷惑な転売ヤーお断りだったり、そういうのと今回のK氏への対応は本質的に同じです。
多様な価値観の人間が存在している社会で、どんな人とも仲良く平和に暮らせるなどというユートピアは残念ながらありません。
結果、現実的な手段として迷惑客には出ていってもらうというのは運営側の判断として妥当です。できればやりたくない事かもしれませんが、コミュニティを守るために仕方のない面があります。
K氏に新凪紗を渡さなかったのは「事実上の出禁」ということです。
それは彼の過去の行動がNinjaDAOコミュニティから見て目に余るものであった、ということでしょう。
実は僕自身もK氏の大量売却時に微力ながら買い支えた一人です。当時の状況を知っている人なら、新凪紗を渡さない判断は至極まっとうに見えるはずですし、少なくとも僕は妥当な判断だと思います。
当時の状況はNinjaDAO(Discord)内に残っていますので、知りたい方は是非読んでください。
なお、K氏は大量売却によってCNPの価値が毀損することを知らなかった、という解釈もありますが、これは否定されています。なぜなら1回目の大量売却後、そのような売却はしないで欲しいとK氏に通告しているからです。つまり彼はコミュニティにとって迷惑であることを承知の上で、大量売却に及んでいます。
それを読まなかった(承知していない)可能性はありますが、それはそれで彼の落ち度ですし、だとすれば話し合いできる人物ではないということになります。
さらにオチが
結論としてNinjaDAOにとって大変迷惑な人を出禁にしました、ということで終わりなんですが、話はもう少し続きます。
凪紗の新コントラクト移行に際しK氏のウォレットに送付した0.65ETHが、実は着金約30日後(冒頭の投稿の約120日前)にK氏自身が移動していることがブロックチェーンの記録から分かりました。
冒頭のK氏の投稿では「了承していない」と言っていますが、了承していないならなぜ移動したのか。
彼は0.65ETHをしっかり自分の懐に入れた上で(了承した上で)、さらに新凪紗を要求しているように見えます。
これはK氏にとって都合のいい、ダブスタ(二枚舌)ではないでしょうか。
結局彼の言葉が嘘のように見えるのは、ブロックチェーンとの齟齬があって、言ってることとやってることが違うやん。ということだからです。
まとめ
今回の学びとして
- サービスやコミュニティの運営は完全にWeb3的(分散的)である必要はなくて、運営者に委ねられているし、それでよい。
- ブロックチェーンに事実が残っており、ブロックチェーンベースで比較的冷静な議論ができるのはやっぱり画期的
という2点でした。
僕としてもWeb3の理解の解像度が大幅に上がり、収穫がありました。
今後同様の議論があれば、このまとめを踏まえた上で議論して頂ければ、さらに解像度が上がるはずです。そういう活用をしてもらえると嬉しいです!
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