NISA口座の分配金に関する課税関係をまとめてみました。

投信、ETF、海外株、分配金、NISA…。

課税関係はただでさえややこしいのですが、
それにNISAが加わると
話がさらに複雑怪奇に(苦笑)

現状、分かる範囲でまとめておきました。
分配金に関する課税関係についてです。

NISAは国内非課税、の場合が多い

まず原則として、NISAは国内の非課税制度です。
そのため、海外資産が海外で課税されるのとは全く関係がありません。

「そんなの分かってるよ…。海外ETFとか買わないし、関係ないし。」

と思っているなら、思わぬ落とし穴があるようなんです。

まず、投資家、投信・ETF、投資先との
基本的な関係を示します。

2015-01-29 16.18.08
  • 投資先が国内の場合:①は非課税、②はNISAは非課税
  • 投資先が海外の場合:①の多くが課税、②はNISAは非課税

これを調査したときの経緯は
〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ 外国株式インデックスファンドの決算から実質コストを計算
した記事にも書いたとおりです。

では投信ではなくETFの場合はどうなるでしょうか。

以下、①はNISAとは関係ない課税ですので
②について掘り下げていきます。

海外資産へ投資する投信・ETFから投資家への分配金の、NISA口座での課税関係
投資先 課税の分類 投信 ETF
国内籍 国内籍(東証上場) 海外籍(海外ETF)
国内資産 国内分の課税 非課税(※1) 非課税(※1) (未調査)
海外資産 海外分の課税 - 課税(※2) 課税(※3)
国内分の課税 非課税(※1) 課税(※2) 非課税(※3)

※1 WEB調査による
※2 東証上場の米国投資ETFの報告書。Facebook内の報告による。
※3 iShares 海外ETFの報告書による

投信の分配金は普通分配金を想定しています。

さて、どう見たらイイかわからないぐらい複雑な表ですが、
ひとつずつ説明していきますね。

まず、一番左列で投資先が
国内資産か海外資産かで分類しています。

それぞれの投資先資産について、
海外分と国内分で課税を分けています。

税務上厳密な分類とは違うかもしれませんが、
投資家にとっての分かりやすさを優先しています。

さて、一番上の行では投資家の投資先が
投信か、ETFかで分けています。

ETFは、さらに国内籍(東証上場)か
海外籍(いわゆる、海外ETF)かで
分けています。

で、各条件の元にNISA口座で課税されるか、非課税なのかを
示したのがこの表になります。

国内籍投信の分配金に海外課税はないはずですので、
(投資家に払われる前に、投信内で課税処理されます)
ハイフンとしています。

これだけみても、かなり複雑ですね…

課税関係はただでさえ複雑なのに、
そこにNISAが絡んでくるともう樹海(苦笑)

なお、あくまでもWEBや、ヒアリングや、
他の方の報告から僕なりにまとめた情報です。

法律を解釈したものではありませんので、
完全に正確かどうかの保証はありませんし、
また、状況が微妙に異なるだけで
課税関係も変わるかもしれません。

詳しくは税務の専門家にお問い合わせ下さい。

個人投資家はどうすべきか?

これを見て、うんざりされているかもしれませんね。

でも、大丈夫です。

個人投資家のレベルでこれを暗記する必要はありません。
必要なのは、投資しようとしているものが大体
どんな扱いを受けているのか?

をイメージしておけばいいだけです。

大雑把にいって、ETFの課税関係は
投信より複雑なようです。

そういう意味でも、長期投資のための「器」としては
投信にメリットがあるような気がしてなりません。

ダテに歴史を積み重ねているわけではなさそうですね。

ETFは投信よりも新しい投資ツールなので、
まだ投信よりも洗練されていない部分が
あるのかもしれません。

ETFは信託報酬が小さいため、
その部分のコストメリットはあるかもしれませんが、
いろいろなリスクや複雑な部分が多いですので、
利用される場合は注意してください。

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