個人投資家が心得ておくべき、相場下落時3つの対処術。

ここのところ、日本を含め世界的に株式市場が軟調ですね。

「軟調」という柔らかい言葉で書きましたが、
人によっては「暴落」という方が実態にあっている、
と思うかもしれません。

寒さが苦手な僕としては、
株価に歩調を合わせて下がっていく気温の方が
どちらかといえば堪(こた)えるわけですが…

…余談はさておきまして、

それぐらい、短期的に急激な下落を見せています。

さて、(株式)投資をしている人にとっては
なかなか心地いいとはいえない環境かもしれませんが、
個人投資家、特に長期投資家がこういう状況に直面した際に
やるべきことと、やってはいけないことを
考えてみます。

相場下落時に陥りやすいワナ

偉そうな導入をしてみましたが、
僕にしても投資歴はたかだか
十数年ぐらいしかありません。

急落相場といえば、せいぜいITバブル崩壊と
リーマンショックの株価半減を経験したぐらいなので
大層なことが言えるとも思えないですが、

長期投資の実践を掲げていますし、
折角の(?)下落相場なので
少しでも役に立つことを
書いてみたいと思います。

まず、相場下落、特に急落時には、
基本的には感情優先になってしまう
危険性があります。

毎日しっかりと新聞やニュースをチェックし、
「日経ベリタス」なんかも購読しながら
相場の最新情報を手に入れているような、
ある意味投資にまじめな人ほど、
感情のワナに陥る可能性が高まります。
(別にベリタスが悪いと言っているわけではありません)

人間は感情の動物ですので、
感情的になること自体は
残念ながら避けられないのですが、

「あ、今自分は感情的になってるな…」

といういわば「メタ認知」ができるように
心がけてみてください。

相場急落時に心得ておくこと3つ

今回のような相場の急落時に、
長期投資家が心得ておくべき
鉄則のようなものを
3つ挙げてみました。

他にも「これやったほうがいいよ」
というのはもちろんあると思います。

良い案があったら、ぜひ投資家全体で
シェアしていければいいと思います。

基本的には感情をコントロールして
理性的に行動するように自らをうながすための
具体的な対処法です。

1. 行動しないための行動

やってはいけないのは、
感情的になったとしても、
感情的に行動してはいけない、
ということ。

まずこれは、必ず
肝に銘じておいて欲しいと思います。

ほとんどの場合、たとえ急落相場であっても
特に投資の売買に関わる行動は
「全くしない」というのが正解です。

要は、理屈で考えれば
何もしなくて良い場合が
ほとんどなんですね。

もちろん、僕も何もしていません。

(そのためには、
当初から何もしなくていいように
準備して始めるわけですが…。)

仮に何かやるとしても、
下落しすぎた(と思われる)資産を
いつもより少しだけ買い増す(ほんの少しです)
というぐらいがせいぜいかと思います。

これを知っておくだけでも、
気持ちが和らぐと思います。

でもなかなか

「損切りしないと大変なことになる!」

という感情のワナから抜けられそうにない場合は、

「売却する理由を紙1枚でもいいので、文書で記録しておく」

という方法がお勧めです。

もちろん、「売却したいから!」などという
感情的な理由はNG。

売却するからには必ず「理由」があるはずですので、
きちんと、理路整然と文書に残してください。

  • なぜ今売却する必要があるのか。
  • 理由が「下落」にあるなら、次回の下落相場でも同様に売却することになるが、それで本当に良いのか。良いという理由は何か。
  • 売却する場合、何を、どれぐらい売却しないといけないのか。なぜその銘柄で、その量なのか?
  • 売却したお金は、何に利用するのか。用途がないなら、本当に売却する理由があるのか。

このようなことを考えるだけでも、
気持ちが落ち着いていきます。

ものづくりの現場におられる方なら、
なぜなぜ分析をする、というほうが
分かりやすいかもしれません。

ちなみに「なぜ」の階層は
深ければ深いほどいいです。

文書は失われない状態で大切に保管し、
次回同様のことが起きた時に、
必ず見返してください。

2. 感謝する

別に怪しい宗教を勧めているわけではありません(笑)

要は、ネガティブな感情をそらす一つの方法として
実践してみてはどうでしょう、ということです。

悪いニュースばかり耳にしていると、
どうしても感情がネガティブな方向に
どんどん傾斜していきます。

そこで、あえて意図的に「良いこと」に目を向けるため、
無理矢理にでも感謝してみる、というわけです。

  • 日々、(紆余曲折はあろうとも)健康に暮らせていること。
  • 飢えもせず、毎日豊かな食事が採れていること。
  • 誰でも投資ができるという、自由な国に生まれたこと。
  • そもそも、投資をするというぐらい、気持ちの余裕があること。(投資の額の多少は問わず)

こうした「事実」に素直に感謝することができれば、
相場の下落なんて、大した問題では
ない気がしませんか?

というか、下落相場に右往左往なんていう、
価値のないことにあなたの貴重な時間を
使うべきではありません。

毎日良いことに目を向けて、
プラスのエネルギーを増やしていくことが
大切だと思います。

3. 哲学してみる

これも、哲学者になるのが目的ではなく、
普段あまり使わない(?)「理屈を司る脳」を
刺激するためです。

理屈は「演繹(えんえき)」の世界であり、
脳では感情領域とは別の領域を使います。

人間、この部分を活用するのが苦手なのですが、
実は感情をコントロールするのに役に立ちます。

例えば、少しだけ「下落」について
「哲学」してみましょう。

そもそも、下落ってなんでしょう?
損失のことですか?

なるほど。

損失の定義は恐らく、
資産の現在価値から、購入時価格(元本)を引いた値が
負になったことを指しているのでしょう。

では、現在価値や、元本とは何でしょう?

元本からいきましょうか。

例えばお金が他の価値と交換する媒体と見た場合、
他の媒体から見たお金の価値というのは
日々大幅に変化しています。

毎日買い物をしている人ならわかりますが、
物価というのは日々変動していますから、
「物」から見たお金の相対的価値も
日々変動しています。

それゆえ、元本というのはお金の持つ多面性の
ごく一面をとらえているに過ぎず
それに固執すべき理由は特にありませんよね。

よく言われるように、視点を変えて「購買力」で見た場合
株価が下がったとしても物価も同様に下がるなら、
(たいてい、物価は株価の下落に遅れて下がります)
購買力上はそれほど下落したともいえないわけです。
ポートフォリオによっては、
全く下落を感じることはないでしょう。

じゃぁ、元本から比較して下がった下がったと
大騒ぎしていることの本質は何なのか。

今回はここでやめておきますが、
元本だけでなく、現在価値や下落、上昇、
もっと言えば「お金」そのものについて
十分注意深く「哲学」してみる必要があります。

でなければ、一体その正体がなんであるかも分からない
「下落」とやらに、どうしてあなたご自身の
貴重な時間を使わないといけないのか、
全く理解することができないからです。

ほとんどの人は、元本すら正確に「哲学」
することができないと思います。
もちろん僕も無理です。

そう考えれば、
深く考えずに行動する人間というのは
本当に感情に踊らされる動物だなぁ、
とつくづく思い知らされます。

僕も含めて。

まぁ、それはそれで人間らしいので
否定すべきことではないのですが、
残念ながら投資と感情(的な行動)は
相性が悪いわけです。

なお、今回の哲学をする上での目的は
感情のワナから逃れる、という目的が大きいので
必ずしも答えを見出す必要はありません。

まとめ

下落相場というのは、
大きかろうが小さかろうが、
経済の仕組み上、これからも必ずやってきます。

取引が続く以上、上昇も下落も
理論上あり得る、というわけですね。

長期投資は10年、20年と続く活動ですから、
いちいち右往左往していたらたまりません。

一喜一憂せずにどかっと構えて、
着々と続けられる「仕組み」を
作っていくようにしましょう。

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