人間ドックに思う、現代の奴隷制度からの抜け出し方。
つい先日、ではなくつい数ヶ月前に
人間ドックに行ってきました。
人間ドックではいろんなことを調べてくれるのですが
いつも僕の懸案となっているのが「コレステロール」。
今回もどんな結果なのか、
ドキドキしますね…。
コレステロール値と健康管理
コレステロール値というのは、中年男性であれば
大体みなさん気になっておられると思うのですが、
僕は気になるというレベルを超えて、基準値をはみ出しています。
検査結果曰く、
HDL(善玉)コレステロール 35(基準値40以上)
LDL(悪玉)コレステロール 181(基準値119以下)
となっていて、いずれも基準値から悪い方向に
外れてしまっているんですね(汗)
で、もう随分前から僕は自分のコレステロール値を
モニタリングしていますが、大体なにやっても変わりません。
嫁さんに協力してもらい、メニューを変えて
動物性脂肪を減らしたとしても変わらず。
運動量を増やせば、LDLが多少下がりますが
だからといって基準値をクリアするのには程遠いレベル…。
以前、体重を減らしてみては?と
医師にアドバイスされたことがあり、
実際1割程減らしてみましたが、
全然変わりませんでした。
僕はもともと痩せ型なので
そのときは不健康なレベルで痩せてしまい、
それ以来無理な減量は控えています。
人間ドックの診断書に記載された日常生活の注意点も、
特に問題なく、このまま続けてくださいという感じで。
ほぼお手上げ状態なのです。
米国ではコレステロールの基準値だけで判断しなくなってきているらしい
そんなこんなで悶々としている中
最近ではコレステロールを巡って
活発な議論がなされているようです。
例えば
のように、少なくとも食事による一律な制限には
意味がないと認識されるようになりました。
(ただし、一部に食事の影響を大きく受ける人もいるので、
LDLの高い人は食事制限してみる必要があります。
詳しくは専門家(医師)にご相談ください。
前述の通り、僕は食事とは関係ありませんでした。)
さらにいろいろ調べていると、
米国では一律にHDLとLDL値でリスクを判断するのは
間違っているんじゃないか?という説まで
出てきているようです。
More People Should Get Statins, Report Says|NBC News
すいません。
同様の内容の日本語の記事を
読んだ気がするのですが失念してしまいました。
この記事の中で紹介されているのが、
動脈硬化のリスクをシミュレーションできる
サイトです。
Predicts 10-year risk for a first atherosclerotic cardiovascular disease (ASCVD) event
米国のデータベースにもとづいていますので
そのまま日本人に当てはまるかどうかは分かりませんが
とりあえずやってみるだけなら無料ですので、
やってみました。
結果はこちら。
「10-year risk of atherosclerotic cardiovascular disease」
というのは、今後10年以内に動脈硬化を発症する確率のことで、
僕の場合2.4%とでてきました。
これが怖いのか大丈夫なのかというと、一応基準があるみたいで
これが7.5%以上となる場合は薬物治療を検討しましょう、
ということのようです。
となれば、一応余裕のある数字ですので、
米国人のデータであるとはいえ、今すぐ慌てて
なにかしないといけないという確率は低そうです。
これはぜひ、日本人のデータでも作って欲しいですね。
厚生労働省さん、お願いします。
こんな感じで、自分の健康管理について
毎年対策をアップデートしています。
医療保険は掛けるべきなのか?
折角健康の話になったので
医療保険の視点でも考えてみたいと思います。
例えばこちらの記事
によれば、健康診断の結果、
数値をきちんと把握して自覚しているのは
たったの3割だそうです。
これだけ、時間とコストを掛けて
毎年やっている健康診断をちゃんと活用できているのが
たったの3割とは、なんともったいない。
その一方で、医療保険を気にする人はたくさんいます。
これってどう考えても、本末転倒なんですね。
例えていうなら、そうですね。
店で買ってきた新鮮なお肉があるとします。
冷蔵しておかないとすぐに鮮度が落ちるわけですが、
それが今、暖かい部屋の中に放置されているとしましょう。
で、健康管理に気をつけるというのは、
このお肉を冷蔵庫に入れることです。
保険のことを気にするというのは、
このお肉が傷んでしまったときの
保障を考えることです。
お肉を冷蔵庫に入れることを考えずに、
傷んだときのことを先に考えるって、
順序が間違ってますよね。
大事なポイントは
「保険を掛けたからと言って、健康になるわけではない」
ということです。
保険というのはリスクを他人(他社)に転嫁する手段ですが、
他人にリスクを転嫁する「前」に、
自分でできるリスクコントロールがあります。
そして、まずはそれが最も効果的ですし、
目的にも理にもかなっているんですね。
僕が医療保険を検討する「前」に、
健康診断の結果を見ていろいろ対策を練るのは、
単にこの順序を知っているからです。
で、その「後」で、民間の医療保険などは
公的医療保障と自分自身の預貯金、
ライフプランを総合的に加味し
掛けないという選択肢も当然含めて
検討していけばいいでしょう。
主従関係をハッキリさせる
僕が常に大切にしている考えの一つに
「あなたの目的や夢を達成するために、
より広い視点を持てるかどうか」
ということがあります。
保険を検討するという視点に立つと、
どうしても保障額や内容に気を取られます。
でもそうではなくて、
そもそも本来の目的はなんだったのか?
より広い視点で考えるとうまくいきます。
例えば僕は投資やお金の専門家として
個別の相談にも乗っていますが、
どの金融機関にも、デベロッパーにも属していませんので
どの視点、観点からアドバイスするかは
完全にフリーです。
となれば、当然最もよい視点からアドバイスしようと
心がけることになりますが、そのときも結局
「より広い(高い)視点に立てるかどうか」
を重要視しています。
保険を選ぶ。
家を買う、買わない。
極論すれば、
結論はなんだっていいんです。
高い保険に入ってもいいですし、
家が欲しいのであれば、
買ってもいいと思います。
一般論としては慎重になるべきですが、
そのこと自体が、夢や希望だ、
ということもありえますので、
一概に全否定することでもありませんからね。
でも、その決断に至るまでに、
必ず「より広い視点で検討すること」
が必要不可欠です。
保険の例で考えましたので、
今度は別の例で考えてみましょう。
例えば今、新築一戸建てを検討しているとします。
憧れのマイホーム、一国一城の主…
といったイメージで、
あるいは、今払っている家賃と同じ返済額で
資産となる一戸建てが手に入るから。
などという理由で、
家を買いたくなることが多いと思います。
でもその時に、必ず
「家を買うこと自体が目的なのか?」
を自分に問うてください。
家を買えば、あなたの人生の目的が達成されるのでしょうか。
そもそも、あなたの人生の目的はなんですか?
家族が安心して、楽しく暮らせる場所があれば、
それで良いし、それこそが目的ではありませんか?
それは家を買うことでしか、達成できませんか?
資産を残すと言いますが、それは何のためですか?
資産というからには、何年後にどれぐらいの資産になるか、
きちんと把握できていますか?
それは家を買うことでしか、達成できませんか?
他により良い選択はありませんか?
…
そういう思考が出来るようになれば、
家を買うことがあなたの真の目的を達成するための
「単なる手段」だということが分かり、
目的を達成するためには複数の手段から
良いものが選ばれるべきだ
ということが理解できてくるんですね。
保険を契約するのも、結局同じことです。
何のための保険なのか?
真の目的はなんだったのか。
それがちゃんと見えるようになってくれば、
保険の前にまずはちゃんと健康管理、
というのが当たり前に見えてくるはずです。
だって、保険を掛けたからと言って、
あなたが健康になるわけではないですよ?
目的は、
健康的でハッピーな人生を送ること…
だったんですよね…?
もちろん、健康管理がきちんと出来た上で
しかも預貯金などともしっかり比較して
(つまり、保険の機能をちゃんと理解した上で)
それで契約するというのであれば
それはそれでいいことではないでしょうか。
家や保険や車、なんでもいいですが、
これらは全てあなたの人生を彩る
アイテムの一つに過ぎません。
アイテムが主で、あなたが従、
では困りますよね。
あくまでもあなたが主。
アイテムは従です。
いつまでも周りのモノやサービスに振りまわされ続ける「奴隷」になるか
自分をしっかり持って「主人公」として生きていくか。
それはあなた自身で決めてください。