「コインチェック」不正アクセス事件の正しい理解のしかた

コインチェックの不正アクセスによるNEM流出事件から
数日が経ち、少しずつ内容が明らかになってきました。

すこしまとめておくとともに、
投資家としてどう考えておくべきなのか、
個人的な考えも載せておきます。

コインチェック不正アクセス報道まとめ

主にNHKの報道ですが、時系列でまとめてみます。(ただし2018年12月時点で確認できない記事はリンクを外しました)

コインチェックは、26日に
不正アクセスによる流出が発覚してから
約2日後に被害者への補償を決定、
それと同じ日に金融庁へ経緯を報告した、
という流れのようです。

これを受けて金融庁はコインチェックに対する
行政処分を検討中(1/28)とし、
29日午後には業務改善命令を出して
同日コインチェックのプレスリリース。

問題発覚からコインチェックによる補償決定、
金融庁による業務改善命令まで
非常に迅速だった印象を受けます。

金融庁も登録審査中だったということで
もしかしたら責任の一端を
感じていたのかもしれません。

被害を受けた方、ひとまず安心できそうで、
よかったと思います。

こうした問題が起きると、誰が悪いのか
といった議論が沸き起こりますが、
投資家はそれとは全く別の視点で
考え、行動していく必要があります。

投資家は原因が何であろうと実質的な受益者、受「損」者

投資家は、原因がなんであっても、
損失を被るのは投資家自身
(であることがほとんど)だということを
忘れてはなりません。

今回の件は補償が決まったので
結果的に投資家の損失は抑えられそうですが、
これはたまたまコインチェックの資金繰りができた
ラッキーに助けられた結果と言えるでしょう。

本件に限らず、仮想通貨取引には
まだまだリスクがありますから、
注意が必要です。

ビットコインに関するお問合わせが増加。危険性、投資法、取引法について。

投資家は常に
「リアリスト」としての考え方と行動が
求められます。

コインチェックとは関係ないですが
いい機会ですので詐欺または
詐欺のような案件のことについても
触れておきたいと思います。

詐欺案件は世の中にいくらでもある

詐欺のような投資案件は
世の中に「豊富」に存在しています。

僕も10年以上、個人投資家の視点で
いろんな案件を見てきたつもりですが、
法律や制度が整備されていったとしても
無くなるどころか、衰える気配すら無いと思います。

むしろ、規制の網をすり抜けて、
より高度に、巧妙に投資家を欺くように
なっているのではないかという
印象すらあるぐらいです。

で、そこでですよ。

騙そうとするほうが悪いのは当然なんですが
それで実際に騙された投資家は、
それを非難することで何か得をするか?

ほとんど得なんてありません。

犯人をとらえて詐欺罪に問い、裁判にかけたところで、
奪われたお金が返ってくることは
ほとんどの場合、無いでしょう。

詐欺師は、捕まった後のことも
綿密に計算しているからです。

となるとせいぜい、

「高い勉強料だったな」

と極前向きに捉えるのが精一杯ですよね。

だから、非常に残念な事実ですが、
詐欺は減らないんです。

少なくとも、過去において、
詐欺は減っていないと思います。

警察が詐欺に対する警告を
発し続けている現状を見れば、
むしろどんどん詐欺は
増えているぐらいでしょう。

倫理や法を無視するなら、
金銭的な面で詐欺を働いたほうが
得をすることが多いからです。

詐欺師が損をするのなら、
詐欺は減るはずですから。

iDeCoやNISAも疑うならやるな

コインチェックやら詐欺の話やら、
ちょっとディープな話ばかりですが
今話題になっているiDeCoやNISAでも
話は全く同じです。

投資家としては自己責任の範囲で、
リアリストになって考え、行動すべきだということは
iDeCoやNISAも例外ではありません。

これだけ雑誌やテレビ、
ネットで取り上げられていますので
なんだか

「やらなきゃいけない」

「皆やるものだ」

と思っているかもしれませんが、
それは危険な発想ですよ。

あくまでも、ご自身の責任で、
やるならやる、やらないならやらないを
判断してくださいね。

なんだか怪しいと思うなら、
やらなければいい話です。

やるもやらないも、
自己判断、自己責任です。

また、いくらiDeCoやNISAが国が主導する制度だとはいえ
投資対象によって値動きのリスクは当然あります。

損失を被ったときに

「あんたが言ったからやったのに損をした!」

などと叫んでみた所で、
誰もそんな話は聞いてくれませんから。

もしその話を聞いてもらえるなら、
逆に利益が出たときに

「私の言うとおりにやったから利益が出た。
 だからその利益をよこしなさい」

と言われたら、それに従う必要がある、
という理屈になりかねません。

どちらか一方だけというような
虫のいい話はないでしょう。

だから実質的な受益(損)は投資側にあり、
それを受け入れるのが投資家というものです。

当然詐欺はダメですよ

もちろん、誤解があってはいけませんので
僕は詐欺を正当化するつもりは全くないですし、
本来であれば不法行為者が損失を補填すべきです。

また今回の件ではコインチェックと詐欺との関係も
無いと思います。

でも、我々個人投資家が
こういう事件から学ぶべきなのは
とにかく何があろうと「実質的には」自己責任なのであって、
投資先や投資法はよくよく考えるべきだよね、
自分を守るために、ということなんです。

倫理や法は原則として当然重視しつつ、
リアリストの面も持ち合わせる必要があります。

詐欺云々に関係なくとも、
古くは大航海時代の巨額損失から身を守る
保険だとか、証券会社や運用会社の
破綻から身を守る信託の仕組みとか、
投資家は昔から様々なリスクと
「身近に」戦ってきました。

そういう歴史的背景があって、今では
比較的安全な仕組みが整っているのが
例えば投資信託の仕組みです。

そのような投資先があるにも関わらず
あえて危険なところにお金を預ける意味を
よくよく考えてみるべきだと思います。

良いとか、悪いとか、
リスクがあるところは(一方的に)やめとけとか
そういう単純な話ではないです。

投資家として、考え抜いているかどうかです。

そういう意味で、利益も損失も
両方あわせて自己責任が求められるのが
投資家という仕事なんだと思います。

大切なお金ですから、
単に儲かりそうだとか、
そういうのだけで判断する事は
決してお勧めできません。

「儲かりそうだ!」

と思ったときこそ、
こういう本を読むことを
お勧めします。

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