「自信満々な幸運な人」問題

最近、株価も低迷していますし
一時もてはやされた仮想通貨も
今は強烈な逆風が吹き付けています。

この先どうなるかな、と
不安になっている人も
多いかもしれませんね。

こういうときこそ、
振り返っておきたい話があります。

その予測は正しいか?

ここで簡単な「たとえ話」をしましょう。

これから一つのサイコロを振ろうとしています。

サイコロ自体はなんのタネも仕掛けもない
ごくごく普通のサイコロですが
6つある目のうちの次に出る目を当てることで
大きな利益が得られることになっています。

そこで誰かが言います。

「最近のサイコロでは1がよく出てたんだ。
次も1が出るに違いない。」

それを聞いた別の人は

「いやいや、1はもう出過ぎだ。
次こそ2が出るに違いない。
なぜなら、2は1の次の数字だからだ。」

と言い、さらに別の人が

「いや、みんな間違っているね。
私は3が出るに違いないと確信している。
その理由は、1と2では数字が小さすぎるし、
4や5や6では大きすぎるからだ。」

…と、喧々囂々です。

そしてついにサイコロが振られる日が来ました。

出た目はなんと、6。

6を当てた人は自信満々に言います。

「私は当初から6が出ることを予想していた。
それは6が6つの数字の中で最も大きいからだ。

そして実際に6が出たし、私は大きな利益も手にした。
私が正しかったし、これからも私が正しいだろう。」

と。

「自信満々な幸運な人」問題

さて、これを聞いたあなたは

「6を当てた人はすごい!次もこの人の言うことを信じよう」

となるでしょうか。

…ならないですよね。

なぜなら、これは「サイコロ」という
誰でもよく知っている簡単な事象を
扱っているからです。

タネも仕掛けもない正確なサイコロは
正しく振れば、次にどの目が出るかは
あくまで運任せ。

ですのでどんな理屈をこねようとも
次に出る目を1/6より高い確率で
正確に予測することは困難であることを
あなたもよく知っているからです。

1を予測した人も、2を予測した人も、
…そして6を予測した人でさえ、
皆確率は同じだったんです。

それを知っているあなたは
冒頭のたとえ話を
ニヤニヤしながら
読んだに違いありません。

でもここで困った事実があります。

そう、現実ではこれと同じようなことが
より複雑で分かりにくい事例を使って
平然と行われているんです。

例えば仮想通貨。

今は不正送金だの、行政処分だの、
国際的な規制だの言われてますから
価格もピークの半分ぐらいになり
取引も低迷しています。

でも、仮想通貨がピークアウトを向かえる前の頃
あなたはどんな話や記事を目にしていましたか?

「仮想通貨こそ次世代の投資である」

「仮想通貨で新しいセレブが誕生。
今こそ、仮想通貨を始めるべきである」

…どこか、サイコロの話と似ていませんかね?

もちろん仮想通貨とサイコロを
完全に同一視するには
無理があります。

仮想通貨にはブロックチェーンという
技術的な裏付けがありますし
実際に通貨として使われている側面も
あります。

ただ、これらの事実や複雑さに「紛れ込ませ」
非常に「分かりにくい」形で提供された
サイコロに似た話もあったはずです。

仮想通貨に限らず
この手の話は世の中のいたる所に
存在していることに注意してください。

最後にの次の文で
この記事の締めくくりに
したいと思います。

結論として、私達が黒い白鳥を正しく捉えられないのは、主に私たちがシステム1(※)を使うためだ。つまり、講釈や扇情的なもの、それに情緒的なものばかりに目を奪われ、おかげで事象が起こる可能性を見誤ってしまう。私達は日常的に自分を振り返るわけではないから、自分の経験を冷静に見るときほどにはまわりで起こっていることが分からない。

(「ブラック・スワン(上)」講釈の誤り、p159より引用)

※ システム1とは実証心理学でいう「経験的思考」のこと

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