「50歳からの投資術を教えてください」

先日、僕のメルマガ読者様から
「50歳からの投資術を教えてください」
というご相談がありました。

50歳という節目の年で
長期投資に踏み切っていいかどうか
悩まれているようでした。

これについて公開でご回答したいと思います。

※ブログ、メルマガへのご質問、ご相談は原則公開回答としております。

50歳からの投資術を教えてください

はじめまして。
これから積立NISAを検討しようと考え、ネットでこのサイトを見つけました。
早速 テキスト・メルマガを読み、投資にはいかに時間が大切かを知りました。
大変 ショックでした。
現在 50才 医療保険の更新は保険料の高さに躊躇い保留にしていたのが幸いしました。が積立投資は過ぎた時間が悔やまれます。
50才からの投資術などご紹介頂けると嬉しいです。

はい。

ということでご回答したいのですが
ライフプランやご家族の状況等
詳細がわからない状態でのご回答になりますので
あくまでも「一般的なご参考」とされてください。

投資に関しては考慮すべきパラメータが多く
単にご年齢だけで一概にこうしてください
とはいえません。

ただ、典型的な状況にあるならば
以下のようなことはご参考に
なるのではないかと思います。

50歳は投資を始めるのに遅すぎるか?

まず50歳というご年齢ですが
現代では決して高齢とは言えない状況です。

リンダ・グラットン氏の「LIFE SHIFT」は
世界中に衝撃を与えましたが、同氏は本書の中で
今後(特に先進国では)100歳以上まで
生存される方が続出すると指摘しています。

もしご自身の寿命を100歳と考えるなら
50歳はまだ折り返し地点に過ぎません。

90歳と考えても、あと40年もあります。

長期投資の「長期」がどれぐらいを
想定するかにもよりますが、
短くて10年、できれば20年を
想定される場合が多いです。

これについて例えばつみたてNISAの非課税期間が
20年となった理由を参照してください。

つみたてNISA早わかりガイドブック(金融庁)

であれば、長期投資を始めるのに
50歳が遅すぎるということはないでしょう

ということを踏まえ
「投資に踏み出す」ことを前提に
もう少し詳しく検討してみます。

(もちろん、投資を推奨するわけではありません。
投資の実行は最終的に投資家本人が決めることです。)

50歳からのNISA制度活用法

少額投資非課税制度、いわゆるNISA制度が
あるのはご存知かと思いますが
これの活用法に悩まれている方も多いです。

50歳からどのように活用すればいいのか?

簡単にまとめてみました。

50歳からの(成人)NISA

2014年から始まったNISAの標準形で
年間120万円の投資枠があり
5年間の非課税期間を持ちます。

NISAについてここで書き始めると
長くなりすぎるので、詳しくはこちらの記事

【2018年版】iDeCo、NISA、つみたてNISA比較表とまとめ

などを参考にしていただきたいのですが
年間投資額が120万円と大きいため
比較的短期間(5年)でNISAの枠を
使い切れるというメリットがあります。

そのため手持ち資産が多く
一気に資産配分を整えたいなら
NISAの方が使いやすいと言えます。

50歳代前半はまだ教育費が苦しいかもしれませんが
後半以降はお子様も独立し「第2の貯め時」
がやってきます。

そうしたタイミングでNISAを始めても
いいかもしれません。

50歳から、つみたてNISAは使いにくい?

逆につみたてNISAは使いにくいかもしれません。

つみたてNISAの詳細はこちら。

【保存版】2018年から始まるつみたてNISA、10のメリットとデメリット

2018年(平成30年)から始まるつみたてNISA(積立NISA)。 当ブログでも、読者に徐々に学んでもらおうと、つみたてNISAの記事を少しずつアップしています。 今回はつみ…

あくまでもケースバイケースなのですが
つみたてNISAの場合、投資額を使い切るのに
制度上20年かかります。

今50歳なら70歳で
59歳なら79歳です。

その時点まで投資額を拡大できるかどうか…

もちろん途中で積立てをやめてもいいのですが
それなら最初からNISAでいいかもしれない
ということです。

20年がダメということではなくて
つみたてNISAは「立ち上がりが遅い」
ということですね。

ですので一般的につみたてNISAは
20代、30代が使いやすいと言われています。

ただしあくまでも一般論ですので
もしかしたらつみたてNISAの方が
有利かもしれません。

この辺りの判断は、ご自身のライフプランで
よくよく検討してみてくださいね。

なお、NISAとつみたてNISAは年単位で
どちらを利用するかを選択できます。

つみたてNISAを始めたけど、
やっぱりNISAがいいやとなれば
変更することも可能ですので
とりあえずどちらかで始めても
いいかもしれません。

ただし、NISA、つみたてNISAで一旦投資した商品は
(非課税期間内で)保有し続けるか売却しかできず
投資枠が復活することもありません。

その点ご注意ください。

ジュニアNISAも検討開始

NISAにはジュニアNISAという制度もあります。

NISA・ジュニアNISA最新制度のまとめ(2016年・保存版)

2016年が始まり、早くも1月後半となってきました。 ぼやぼやしていると置いて行かれそうですが(汗)2016年度のNISA・ジュニアNISA最新制度についてまとめてみました。 新…

50歳の場合、お子様も高校、大学に進学し始める時期で
もうジュニアNISAなんて自分には関係ない
と思われるかもしれません。

でももう少し視点を広げて
あなたの「孫」について考えてみましょう。

だいたい60代で孫が生まれる
という方が多そうですが早い人は
50代後半ぐらいで孫が生まれる方も
おられます。

ということは、50代のうちに孫のためのジュニアNISAを
活用する方法を考え始めても早すぎる事はありません。

子や孫への贈与は、一般的に相続(特に二次相続)対策
になりますから、選択肢の一つとして
捉えてもいいでしょう。

実際にジュニアNISAのために贈与を始めなくとも
相続対策の検討を始めるのはいい事です。

特に税制改正により
平成27年から相続税の基礎控除が
「5,000万円+法定相続人数x1,000万円」から
「3,000万円+法定相続人数x600万円」へと
一気に40%も削減されたことは記憶に新しいですよね。

これにより相続税が増える一方で
贈与税には「特例贈与(特例税率)」と言って
直系の子や孫への贈与税が軽減されています。

No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)(国税庁)

これはつまり

「贈与を上手く使って、子や孫へ早めに資産を移してね」

という国からのメッセージと言えるでしょう。

資金需要が旺盛な世代に資産が移れば
間接的な景気対策にもなりますし
特に高齢者に資産が偏っている日本では
格差の軽減にもなるからです。

将来の相続税も軽減できるなら
個人にとってもメリットでしょう。

贈与を上手に活用することで
相続税を軽減させることができますが
ポイントはここでも「時間」です。

10年、20年単位の長い時間を使い
計画的に節税していくことが大切です。

お金と時間というのは
本当に切っても切れないですね。

50歳からのiDeCo活用法

NISAについて簡単にお話しましたが
iDeCo(個人型確定拠出年金)についても少し。

会社勤めされているのであれば
まずは企業型DC(企業型確定拠出年金)が
導入されているかどうか、今一度確認しましょう。

企業型DCがあればその中で
十分な額の資産運用、形成が
できている可能性があります。

また企業型DCには「マッチング拠出」
という制度もあり、最大企業が拠出する額の範囲内で
ご自身の給与から「追加で」拠出することも可能です。

こうした、既に備わった税制優遇制度を
徹底的に活用していきましょう。

その上で、更にiDeCoが使えるなら
使って頂いてもよいかと思います。

iDeCoには

  • 拠出額は全額所得控除
  • 運用時非課税
  • 受取時、退職所得控除や公的年金等控除の優遇

の3つの税優遇があり、
多くの方にメリットがあります。

多くの場合でNISAよりもメリットがありますので
NISAを検討する前にマッチング拠出や
iDeCoを検討されるのがいいでしょう。

ただしiDeCoの拠出は最長60歳(59歳11月)までで
50歳からだと10年未満になる可能性があります。

10年未満は受付開始年齢が61歳以降になりますので
注意してください。

ご参考

iDeCoの概要(構成労働省)

企業型DCは場合によって65歳まで拠出可能です。

50歳からの投資術まとめ

投資術というよりは制度のメリット、デメリット
みたいな感じになりましたが
ライフプランが出来て投資を始める場合
まず「税対策」が重要になるんですね。

ですので、iDeCo、NISAを活用して
上手に節税しながら進めるようにしてください。

どれぐらいの金額を投資するか、
どの程度の金額を積立てていくか
どの資産(アセット)をどれぐらい組み合わせるか

などは50歳だからどうこうではなくて
全くケースバイケースです。

こちらはご自身のライフプランを見て
必要に応じてFPに相談しながら
意思決定していきましょう。

投資に関してごくごく一般的なアドバイスをすれば
「あまり前のめりにならず、一喜一憂もせず、コツコツと」
がよいかと思います。

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