利益課税されないためにiDeCoのスイッチングでリバランスしてみました。

こんにちは。林FP事務所の林です。

年が変わったので運用資産のリバランスしました。

いつもできるだけ資産を売却しないように工夫して
課税を避けるんですが、今回は海外株式が
突出してたので一部売却。

ただそれで課税されるのはいやなので、
非課税のiDeCo(個人型DC)も活用しながら
リバランスしてみました。

参考のため、少し詳しくお話します。

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リバランスとは

リバランスというのは現状の資産割合を
目標の割合に戻していくことをいいます。

簡単な例でいえば、
例えば株式50%、債券50%の割合で
資産を保有しておきたいとします。

でも、株価が大幅に上昇し、また利回りも上昇することで
株式の評価額が上昇、債券の評価額は逆に下落したとします。

結果、現状が株式60%、債券40%のようになったとしたら、
当初の思惑からずれてしまいますよね。

こうなると、資産全体として株式分のリスクが多くなり
資産全体のリスクも増えかねません。

だからこれを、元通りの50:50に戻そう、
というのがリバランスなんですね。

考え方としては至極単純な話です。

リバランスの何が問題か?

リバランスの発想自体は単純だし簡単なので
さっさとやればいい話なんですが、
一つ注意点があります。

それは利益への課税です。

リバランスを行う場合、通常は値上がりしている資産を売り、
値下がりしている資産を買うということになりがちです。

となると、値上がり益を確定することとなり
これに対して課税されてしまうわけですね。

日本は利益(譲渡益)に対して
20%(に復興特別所得税)の課税です。

リバランスのご利益としてリスクを一定に保ちながら
期待リターンを増やすと言われていますが、
折角の利益に課税されてしまうと、
期待リターンを増やすどころか
減ってしまう可能性すらあります。

そこで通常はノーセルリバランスといって、
売らずに買い増すだけで、全体のバランスを
修正することがよく行われています。

僕も普段はノーセルリバランスで対応するんですが
今回は試しに売って買うというリバランスを
iDeCo(個人型DC)口座を応用して
非課税でやってみることにしました。

リバランスの具体的内容

僕が目標としている資産配分はこんな感じです。

各資産クラスのリバランス前後の割合

目標割合 リバランス前 リバランス後
国内株式 10% 9.7% 10.5%
先進国株式 30% 33.3% 30.7%
新興国株式 10% 10.2% 10.5%
国内債権 40% 40.5% 40.3%
新興国債権 10% 6.3% 9.3%

リバランス前は、先進国株式が多く、
新興国債券が少ない状態になっています。

これぐらいの変動であれば放置してもいいんですが、
まぁ毎年やる儀式みたいなものですから、笑
ちゃんとリバランスしてみます。

ただ、このまま先進国株式を単純に売ると
利益に対して課税されてしまいます。

そこで、iDeCo内になる先進国株式資産を売り、
その原資で新興国債券を買うことにします。

iDeCo内のこのような操作を
「スイッチング」といいます。

iDeCoのスイッチングを使ったリバランス

僕はiDeCoの運管にSBI証券を使っていますが
SBI証券のスイッチング画面はこんな感じになってます。

ScreenShot 13

まずどの資産を売却するかを選択し、
その資産の売却口数を指定します。

次に、売却した口数で購入する資産を指定すれば
スイッチング指示完了です。

あとはじっくり待てば、自動的に
スイッチングが完了します。

通常の証券口座では

売約→現金またはMRF
現金またはMRF→購入

という形で、一旦現金またはMRFを介して
売買するのが普通ですよね。

ですがiDeCo内では、売却した資金を自動で
現金またはMRFにするという契約になってないので
いちいちスイッチング先を指定するわけですね。

最初はここを理解するのにちょっと戸惑うかもしれませんが
慣れれば平気です。

さて、iDeCo内のスイッチングにより、
iDeCoの資産はこちらのような状況になりました。

ScreenShot 14

これでリバランスが完了です。

海外(先進国)株式を売却しましたが、
当然iDeCo内は非課税なので
税金を払う必要なし。

これで気持ちよくリバランスが行えますね。

売却から購入まで時間差が大きい

さていいことづくめに聞こえるiDeCoですが、
課題もあります。

一つは、スイッチング(売却から購入)に
かかる時間が非常に長いこと。

例えば今回の例でいえば、

ScreenShot 16

最初の資産売却が始まった12/29から、
最終買い付けの1/10まで、
約2週間弱ぐらいあります。

まぁ年末年始を挟んでいますから
余計に時間がかかってしまっているのかもしれませんが
それにしても長いですね。

このスイッチング中に、購入先の資産価格が
上昇(下落)することがありますので、
気になるといえば気になります。

ただこれはiDeCoの問題というと
誤解があるかもしれません。

証券会社でも、売却から現金受け渡しまで
通常数日かかるからです。
(特に海外投資信託は長い)

ですので、iDeCo内に現金などがあれば、
それを使って売却と購入スイッチングを
同時にやればいいという手もあります。

ただ、じゃぁその現金をどのように用意するのか?
を考える必要がありそうです。

一時的に拠出金を定期預金等にしてもいいですが、
それなりの金額になるまでは時間がかかりますし、
その間現金で置いておくと機会損失という話も出てきます。

まぁ、あまり神経質にならず、
スイッチング中は価格の変動はあまり気にせずに
トータルでならせばプラマイとんとん、
と考えておくのがいいのかもしれません。

iDeCo内に資産がないとスイッチングできない

そもそもなんですが、
iDeCo内に資産がなければ、
スイッチングもなにも出来ません。

今年からiDeCoを始める方も多いと思いますが、
年間拠出上限もあるため、iDeCoの資産は
時間をかけてゆっくりと大きくなっていきます。

ということは、初期の頃は資産が小さいということになりますね。

ですから、資産全体のりバランスをしようとすると、
iDeCo内の資産だけでは足りない、
という事態も最初のうちはあり得るかもしれません。

あるいは、iDeCoに十分残高があったとしても、
売却しようとする資産を買い付けていなければ、
売却することはできません。
(空売りとかはできませんから)

そういう意味では、やろうと思っても
出来ない場合はあると思います。

この問題は時間をかけてiDeCo残高を増やしながら
購入する資産クラスを増やす等で対応するしか
なさそうです。

iDeCoを使ったリバランスのまとめ

iDeCo(個人型DC)のスイッチングを活用した
リバランスについてご紹介しました。

iDeCo活用の際は上記のような注意点もありますが、
利益非課税という大きなメリットがありますので、
賢く、存分に活用していきましょう!

iDeCoの運管選びならこちらの記事をご参考に。


https://h-fpo.com/?p=1454

そうそう。
いつものことですが、

60歳までは払い出しできませんから、
iDeCo活用の前にライフプランをしっかりと
見ておいてくださいね。

ライフプランに関して面白い話をこちらでしていますので
よかったら見てみてください。

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利益課税されないためにiDeCoのスイッチングでリバランスしてみました。” に対して2件のコメントがあります。

  1. 嶺岸史隆 より:

    林先生こんにちは。いつもお世話になっております。
    今回の記事は非常にタイムリーでした。
    一昨年、アドバイスして頂いて、低コストへのインデックスファンドへリバランスを思い切ってしていたおかげで、年末のリバランスタイミングで国内外のインデックスファンドにかなりの含み益が出ていました。
    ノーセルリバランスだと、かなりの額の国内債券を購入する必要があり、どうしても一部売却しないといけない状況だったのですが、ふと、確定拠出年金内で乗り換えすれば税金がかからないことに気が付いて、実行しました。
    実行する前に、インターネットで同様のことを実施している人はいないかなと調べたのですが、見つからなかったので、自分のしたことは果たして正解だったのだろうか?とちょっと心配になっていたところでした。
    また来年のリバランスのタイミングに相場が動いて、今度は債券クラスの割合が大きくなったら、DC内で株式クラスへのリバランスを実施しようと思います。

    嶺岸

    1. より:

      嶺岸さん

      いつもお読み頂いて、ありがとうございます。

      嶺岸さんもリバランスされたんですね。
      詳細は分かりませんが、DCでのリバランスで
      特に問題ないと思います。

      記事が参考になったとのこと、嬉しい限りです。

      iDeCo(DC)を使ったリバランスというのは
      まだ気付いてない人も多いと思いますので、
      参考になれば幸いです。

      今後ともよろしくお願いします。

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