「職場つみたてNISAの説明会」が、あなたの職場で始まる!?

こんにちは、林です。

ここのところ金融庁はつみたてNISAの普及に尽力していますが
職場つみたてNISAの金融庁側の説明会が6月に終了し
これからは実際の「職場側」の説明に入っていくそうです。

あなたの職場でも、つみたてNISAの話題が
出始めていませんか?

職場つみたてNISAは比較的良心的な制度

職場つみたてNISAは省庁、企業の職場で
職員、従業員向けにつみたてNISAを導入し
資産運用を推進しようとするものです。

どのような制度であれ、職場に導入する場合は
個人の自由が(事実上)奪われたり、
特定の金融機関に囲い込まれたりするリスクはあるものの

つみたてNISAの場合は商品が限定されているため
そのようなリスクは他の制度に比べれば低くなっています。

そういう意味で、僕も職場つみたてNISAには賛成で
頑張ってほしいと思っています。

金融庁が旗振って職場つみたてNISAを推進中

当庁では、この「職場つみたてNISA」が、各府省や地方自治体、更には民間企業においても普及するよう取り組んでおります。

 その一環として、平成30年3月~6月、全国の財務支局にて、企業・地方自治体・金融機関の皆様に向け、つみたてNISAに関する説明会を開催しました。

 これを契機に、全国の企業や地方自治体において、職場でのセミナー開催など、職場つみたてNISAに関する取組みが進められることを期待しております。

つみたてNISAに関する説明会-職場つみたてNISAの活用-(金融庁)より)

要は、金融庁としては企業や金融機関向けに
3ヶ月かけて説明会してきたから、これからは
職場でどんどんセミナー活動等、普及活動してね!

ということです。

ってことで、あなたの職場でも
「職場つみたてNISA」の説明会や
セミナーが始まるかもしれません。

職場つみたてNISAが始まると…

先日、こちらの記事にも書きましたが

「職場積立NISA」と「職場つみたてNISA」の微妙だけど大きな違いとは?

職場NISAには
職場(一般)積立NISAと職場つみたてNISA
の2種類があります。

今回金融庁が広めようとしているのは
「職場つみたてNISA」の方で、
つみたてNISAを職場全体で活用する方法です。

つみたてNISA自体は
退職金でも年金制度でもなく
単なる利益に対する非課税制度です。

したがって職場で積立てたからといって
所得控除が受けられるわけでもありません。

しかしながら職場で一括して
つみたてNISAができるようになれば
以下のようなメリットが期待できます。

  • 職場での投資教育が活発になる
  • 職場全体で投資に関する意識、知識が高まる
  • 職場で投資の話をすることに違和感がなくなる

一定数、投資はギャンブルだという人はいます。

それを金科玉条のように掲げ
投資の話はどんなことでもけしからん
という人がいないとも限りません。

それが自分の上司かもしれないと思うと
なかなか投資やお金の話はしづらいものです。

確かに投資にはギャンブルの側面もありますが
分散・積立投資がギャンブル性を極力排除した
資産形成向きの投資だということは、
ここの読者であればしっかり理解できるはずです。

また株式や債権は市場からお金を調達する手段の一つであり
自分が働く会社が株式会社であれば
ご自身の会社への理解も深まります。

職場で正しい認識が広まれば、
投資の話や情報交換がタブー視される空気が薄まり
職場全体で投資の知識を深めるチャンスにもなるでしょう。

職場つみたてNISAの導入が
そうした雰囲気を作ることに
一役買ってくれることは間違いありません。

これが職場つみたてNISAの
一番のメリットだと僕は思います。

職場つみたてNISAのデメリットと今後について

逆にデメリットも考えられますので
注意が必要です。

考えうる最大のデメリットは

  • 使える金融機関が固定化され、ラインナップが制限される可能性がある
  • 経営者のメリットはなんだろう?経営者が交代して方針が変わるリスクがある

ということです。

つみたてNISAが使える金融機関は
ざっとこれだけあります。

つみたてNISAが使える証券会社のまとめと比較

本来、これだけの金融機関から
個人が自由に選んで契約するものですが
例えば職場から「○○証券会社を使いましょう」
と言われて一斉に申し込みを受け付ける可能性もあります。

つみたてNISAの比較ポイントは金融機関の
商品ラインナップ(数)ぐらいですが
職場つみたてNISAで採用した金融機関のラインナップが
多くの職員や従業員の不満を招くようであれば
事態は少々微妙です。

もちろん、契約は個人の自由ですから
不満であれば職場つみたてNISAを
使わなければいいだけなのですが
それだと職場全体で導入するメリットが
薄れてくる懸念もあります。

また経営者にとってのメリットも
大切なポイントでしょう。

経営者が社員の資産形成に
理解のある間はいいですが
残念ながら経営者は交代します。

その際、具体的なメリットや拘束力がなければ
「そんな面倒な(手間のコストのかかる)ことはやめてしまえ」
と言い出す経営者が出てこないとも限りません。

会社の経営が苦しいときなんかは
特に注意が必要でしょう。

つみたてNISAは20年以上という
長丁場の投資です。

ですが、途中でどんどん交代していく
経営者に翻弄されるようであれば
職場つみたてNISAのメリットが薄れてしまいます。

職場全体が納得するために
どうコンセンサスをとっていくのか
経営者が積極的に推進するだけのメリットがあるのか
そのあたりも今後注視すべき点です。

あるいは、職場つみたてNISAの導入が成功するあまり
それ以外の投資法を好む人が疎外感を感じるかもしれません。

僕は、長期分散投資が一定の合理性を持った
資産形成法だとは思うものの、全ての人が
そうすべきだとも思っていません。

投資というのはあくまでも個々人の自由な選択であり
どんな投資法であれ自己責任で行う限りは
自由でなければならないはずだからです。

職場つみたてNISAを導入されるなら
そうした「異なる人」も柔軟に受け入れられる
そんな素敵な職場になってほしいと願います。

経営者も含めて、ね。

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