「職場積立NISA」と「職場つみたてNISA」の微妙だけど大きな違いとは?
「職場積立NISA」と「職場つみたてNISA」。
もしかしたらこの二つのキーワードを
目にしたことがあるかもしれませんが
その違いはきちんと理解していますか?
実は書き方が違うだけではなく
中身も随分異なるものなんです。
特に「職場つみたてNISA」は
今後のトレンドになる可能性もあるので
違いをしっかり押さえておきましょう。
目次(タップでジャンプ)
職場積立NISAと職場つみたてNISAの違いって何…?
では早速、
「職場積立NISA」と「職場つみたてNISA」の違いについて
見ていくことにしましょう。
いずれも「職場」とついてますのでお察しの通り
お勤め先の会社が特定の金融機関と提携して
社員にNISAを導入する枠組みのことです。
ただし、NISAの種類が違っていて
「職場積立NISA」は「一般NISA口座」が対象、
「職場つみたてNISA」は「つみたてNISA口座」が対象
となっています。
職場積立NISAとは
職場積立NISAとは
会社が金融機関と提携して
従業員の一般NISA口座開設行い
給与天引きの形を取って
一般NISA口座に投資していく
という枠組みです。
職場積立NISAのメリット
会社が給与天引きをしますので
強制的にお金を残しやすいというのと
一般NISAですからその中で投資をして
利益が出ても5年間は非課税の恩恵が受けられます。
職場積立NISAのデメリット
一方で職場積立NISAのデメリットもあり
「特定の金融機関に限定される」
ということが挙げられます。
特定の金融機関だとなぜデメリットかというと
- 商品選択の幅がその金融機関に限定されること
- 個人の自由で口座変更がしにくいこと
ですね。
商品が限定されるというのは
分かりやすいと思います。
極端な話、証券会社と銀行とでは
扱う商品の種類も数も全然違うことが多いです。
もし、会社が何かしらの理由で銀行や
銀行系の証券会社と提携すると
扱う商品が少なくて従業員は困ってしまうかもしれません。
また長期分散投資に適した商品が
選べるかどうかも重要なポイントです。
もし適切な商品がなければ
せっかくの職場積立NISAも
個人としては使いにくい、ないしは
使えないものになってしまうでしょう。
二つ目のデメリットですが
職場積立NISAと言っても
強制加入ではありません。
ですので、職場積立NISAを使わずに
職場の外で個人的に一般NISAを開設して
始めることも何ら問題はありません。
ただ、一旦職場積立NISAを始めたら
給与天引きということもあって
やめるときや金融機関変更の際には
会社に報告したり、一定の手続きが必要になります。
そのため、心理的に変更し辛く
なるかもしれません。
金融機関としてはこのように職場積立NISAには
顧客を囲い込みやすい特性があるため
やめにくさにつけこんで、やや不利な商品を
ラインナップに加えてくる可能性もあるでしょう。
他社との競争も相対的に緩くなるので
ラインナップを(投資家にとって)よりよいものにする
インセンティブも働きにくくなります。
こうしたデメリットを理解した上で
職場積立NISAを上手に活用したいものです。
職場つみたてNISAとは
一方「職場つみたてNISA」は
漢字がひらがなになっただけではありません。
「つみたてNISA」はご存知2018年から始まった
NISA制度の一つですが、主な特徴として
- 20年の非課税期間
- 年間40万円まで
- 積立買付けが必要
- 買えるのは金融庁が認めた商品のみ
と一般NISAとは大きく異なる特徴を持っています。
このつみたてNISAへ
職場で天引き積立できるようにするのが
「職場つみたてNISA」というわけです。
この職場つみたてNISAは
金融庁も率先して導入しています。
実は職場つみたてNISA、
職場積立NISAよりも
進化したものと言えそうです。
職場つみたてNISAのメリット、職場積立NISAとの違い
まずメリットですが給与天引きで
強制的に積立が進むというのは
職場積立NISAと同じ。
ですが、職場積立NISAは
一般NISAが積立でもそうでなくてもいいため
ある意味上限額の120万円分を一気に投資したい人にとっては
余計な制約となります。
職場つみたてNISAはその点
そもそもつみたてNISA自体が
積立てること前提の制度ですので
給与天引きとの相性は抜群ですね。
個人契約のつみたてNISAでも
銀行の自動振込機能を利用すれば
同様のことは出来ます。
ただ職場つみたてNISAなら
手続きが簡素化される
(会社が手続きの一部を代行してくれる)
可能性が高いので従業員にとっても
メリットがあるでしょう。
また職場積立NISAとは違い、つみたてNISAは
対象商品自体を金融庁が定めていて
長期分散投資に適さないいわば「外れ」を
引く可能性はかなり軽減されています。
これは安心ですよね。
職場つみたてNISAに一般的な資産分類である
国内、海外、株式、債権、REIT、バランスファンド等の
低コスト投信が揃っているなら
商品数としてもOK。
投資初心者でも安心して取り組めるのが
職場つみたてNISAの最大のメリットかもしれません。
職場つみたてNISAのデメリット
職場積立NISAに比べて、
職場つみたてNISAのデメリットは少ないです。
商品の選択肢が少ない可能性がある
というのは同じです。
したがって職場積立NISAにしろ
職場つみたてNISAにしろ
事前に扱う商品を調べるのは必須です。
もう一つ強いて言えばつみたてNISA自体に
金融機関にとっての旨味が少なく
積極的に取り組む金融機関自体が
少ないことでしょうか。
それでも今後の投資の主流は
「つみたて」の方になっていくはずですので
ここをしっかり押さえた金融機関は
長期的にジワジワと存在感を
高めていくだろうと思います。
職場積立NISAと職場つみたてNISAの違いについてまとめ
「職場積立NISA」と「職場つみたてNISA」
のメリットとデメリットに着目して
両者の違いを見てきました。
特に職場つみたてNISAについては
金融庁が積極的に旗を振って推進しており
今後の積立投資のトレンドになる可能性があります。
複利厚生の一つとして、あなたの職場が
職場つみたてNISAを導入する可能性は十分ありますので
事前に学んでおいてくださいね。