「損をしない」といわれたら要注意…。FPはこう選ぼう!
とある読者様からのご質問に関連して、
今日はシェアしておきたい話を一つ。
先日の交流会でも
「分かりやすい!」と好評だった
FPの選び方についてです。
とある読者様のご相談…
先日、とある読者様から
ご相談を頂きました。
曰く、ある保険(ここでは仮にV保険)を
勧められたのですが、違和感がある、
とのこと。
実はこの読者様に限らず、
こういうご相談は多いのですが、
以下の様な内容で
返信させていただきました。
(中略)
ご相談されたFPさんの、
収入源を一度確認してみてください。もし、「保険代理店」や「保険募集人」などの
資格がある場合は、FPといえど保険のセールスを
しています。決してセールスが悪いというわけではなくて、
彼らは保険を売らないと生活できない立場ですので、
セールストークが含まれる可能性が十分あることを
事前に理解しておきましょう、ということです。僕の感覚では、
「V保険だけが唯一損しない保険」
という説明はいき過ぎです。V保険にかぎらず、
どのような商品にもリスクがあって、
絶対儲かるとか、絶対損しないとかはありません。
(後略)
V保険は変額年金と呼ばれるタイプの保険で、
いくつかの投信で運用しながら、死亡保障もつくという
パッケージ商品です。
むろん、損しないなどというのは間違いで、
運用結果次第では利益も損失もあり得るものです。
上でもお話している通り、
全ての金融商品には固有の「リスク」があります。
最もリスクが低いと言われる銀行預金ですら、
ペイオフやインフレのリスクから逃れられません。
まして上の保険は運用商品ですから、
損しないという間違った情報を伝えるFPさんからは、
少し距離を置いたほうが良さそうです。
これは多少、厳しい言い方かもしれませんが、
大切な財産から、何百万円も支払うことになるわけですので、
そこはぜひ妥協しないで欲しいと思っています。
わからなくなったら…
このように、FPにも
いろんな立場の人がいますし、
いろんなタイプの人がいます。
上記のFPさんに悪気はないかもしれませんが、
セールスを優先し、正しい情報を伝えることに
無頓着なFPも残念ながら存在するかもしれません。
「じゃぁ、一体誰を信じたらいいんだ…」
と途方に暮れるかもしれませんね。
FPに相談される場合というと、
「分からない」から相談しにいくわけで、
FPが言うその情報が正しいかどうかを見抜くのは
実際問題として難しいものです。
そんなとき、金融の素人でも
役に立つ考えがあります。
それは、
「うまい話は、(向こうから)やって来ない」
という原則です。
- 聞き心地の良い話
- 耳障りの良い話
…聞こえてきませんか?
そんな話が聞こえてくるようであれば、要注意です。
もし、本当に損をしない保険や投資先などがあれば、
皆が殺到し、即刻売り切れになるでしょう。
おいしい話が、向こうから
わざわざやってくることは
基本的にはありません。
(誤解のないように付け加えますと、
こちらから探しに行ったとしても、
ほとんど見つからない
というのが現実です。
努力に努力を重ねて
ようやく見つかる…かも?
というレベルです。
それぐらい、おいしい話というのは
希少なものです。)
ということは、簡単に手の届くところにある
うまい話というのは、その裏に
なにかが隠されていると考えるのが
妥当なんですね。
金融に詳しくなくても、
少し落ち着いて考えれば、
実は誰でも理解できることなので
安心していただければと思います。
とりあえず、
何が隠されているかの詳細まで、
理解する必要はありません。
- よくよく考えてもやっぱり違和感がある…
- どうしてもここの理由が分からない…
といった保険や証券の場合はすぐには契約しない、
というルールを決めておくだけで、
何も決めないよりははるかに「良い選択」が
できるようになります。
あるいは、どうしても分からないようであれば、
件の読者様のように、セカンドオピニオンを
求めてもいいと思います。
実際、僕のもとにも
「セカンドオピニオンが欲しい…」
と相談に来られる方が少なくありません。
そうすれば、同じ商品について少なくとも
二つ以上の視点から情報が得られますから、
より深く理解することができるようになります。
混乱していた頭が
すっきりクリアになっていく効果も
期待できます。
最終的に何百万円も払うことになる商品ですから、
できるだけ理解を深めておくことは
とても大切なことだと言えるでしょう。