2018年から始まるつみたてNISAと現行NISAを詳しく比較してみました。

こんにちは。林FP事務所の林です。

税制改正大綱に積立NISAの要望が記され、
iDeCoも始まったことで
積立型の投資に関心が集まっているようです。

僕の相談業務の中でも
NISAや積立NISAに関するご質問が
増えてきました。

今回は来年2018年から始まる予定の
積立NISAの内容と従来からあるNISAとを比較ながら、
その違いについてポイントをおさらいしておきます。

資産形成メルマガ

積立NISAの概要

来年2018年から始まる予定の積立NISAについて
概要を見ていきましょう。

平成29年度(2017年度)税制改正大綱

平成29年度(2017年度)税制改正大綱に
積立NISAが要望に盛り込まれました。

平成29年度税制改正大綱については
こちらの記事でも書きましたが

つみたてNISA(H29年度税制改正・H30年施行)の要点まとめ

FPジャーナル3月号に大綱の要約がありましので
引用しておきます。

◯非課税累積投資契約に係る非課税措置が創設され、現行の非課税上場株式等管理契約に係る非課税措置と選択して適用できるようになります。

・累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以降20年を経過する日までの間に支払いを受けるべき累積投資勘定に係る株式投資信託の配当等については、所得税および個人住民税が課されません。上記同様、20年を経過する日までの間に公募等株式投資信託の受益権を譲渡した場合、譲渡所得等については所得税および個人住民税が課されません。

・対象となるのは定期かつ継続的な方法による買い付けが契約で定められ、累積投資勘定を設けた日から同日の属する年の12月31日までの間に取得した公募等株式投資信託の取得対価の合計額が40万円を超えないものに限ります。

◯非課税口座に設けられた非課税管理勘定に、他の年分の非課税管理勘定または未成年者口座に設けられた非課税管理勘定から移管(ロールオーバー)がされる上場株式等については、その移管により非課税管理勘定に受け入れる上場株式等の価額の上限額が撤廃されます。

(平成30年1月1日から適用)

(FPジャーナル3月号P18に筆者一部追記)

法律用語がそのまま出てきている部分もあるので、
若干分かりにくいですね。

税制改正大綱を踏まえ、僕なりに現行のNISA制度と
来年2018年から始まる予定の積立NISA制度とを
比較し、違いが分かるようにしてみました。

従来のNISAと積立NISAの比較表

従来からのNISA (2018年からの)つみたてNISA
税制優遇 利益非課税
主なデメリット 課税口座と損益通算ができない
対象金融商品 株式、ETF、株式を含む投資信託等 積立NISAに適した投資信託等
対象者 20歳以上の国内居住者等
非課税期間 5年 20年
年間買付上限額 120万円 40万円
最大非課税額 600万円 800万円
RO(※)時の金額上限 (2018年からなし) 不可
制度の利用方法 どちらか一方を選択(併用不可)
制度の適用期間 2023年開始分まで 時限
金融機関の変更 1年毎に可能

※ RO:ロールオーバー

税制改正大綱や他の情報等から
僕の解釈で掲載しています。

年間40万円というと一見少ないようにも感じますが、
20年間という長期間により、非課税の総額は
買い付け額で800万円にもなります。

これは現行NISAの600万円を上回る規模で、
決して小さな金額ではありません。

ただ、従来NISAとは違い、
積立NISAに適した投資信託でなければ
買い付けができません。

従来NISAですと個別株を買って、
5年間値上がりを待って。。。
みたいなことも出来ましたが、
積立NISAではできません。

じゃぁ何が適しているのか?というと
基本は分散投資するインデックスファンドと
理解しておけばよさそうです。

その他、表の中でちょっと自信のないところは
()書きで書いてあります。

ロールオーバーの金額上限撤廃ですが、
現行のNISA制度とも、積立NISA制度とも取れます。

また、積立NISA制度は金融庁が恒久制度とするよう
要望を出していましたが、恒久制度とするという
明確な記載は無く、原則時限制度です。

逆に、適用年限も明記されていないため、
事実上の恒久制度宣言かなと思いますが
現状はまだ不明確かなと思います。

→時限制度でした。

税制改正大綱は一部修正もある

平成29年度税制改正大綱に限りませんが
あくまでも大綱による要望ですので
実際の審議の中で修正、削除、追加などの可能性は
もちろんあります。

今回の積立NISAは金融庁の要望がほぼそのまま通った形で、
財務省や国税庁にとっては厳しいものになっています。

審議の流れによっては変更の可能性も十分考えられますので、
引き続き注視していきたいと思います。

積立NISAの活用法

とはいえ、年金制度改革を推進する意味もあるので
積立NISAそのものは創設されると思います。

上記の積立NISAの特徴を踏まえた
活用法を考えてみます。

積立NISAは老後資産の形成に向く

NISAと比べ、非課税期間が20年と4倍長くなっています。
20年といえば相当長期間であり、
老後の資産形成の手段としては
十分な長さと言えるでしょう。

また老後資産形成の王道制度としてはiDeCoや
企業型確定拠出年金がありますが、
iDeCoは60歳まで引き出せないのに対して
積立NISAの場合はいつでも自由に引き出せます。

老後の資産形成のための制度で
自由に引き出せるとなると
実はデメリットにもなってしまいますが
ライフプランが大きく変わった場合、
突然大きな資金が必要になる可能性もあります。

そうした柔軟な対応ができるので
iDeCoとは「違う」使い方ができるでしょう。

(なので、iDeCoも併用したほうがいいです)

リバランス用として活用

こちらの記事にも書きましたが、

利益課税されないためにiDeCoのスイッチングでリバランスしてみました。

利益に対して非課税というのは、
リバランスしやすいという特長があります。

例えばiDeCo内は国内株式しかないけど、
本当は海外株式を売却して国内株式を追加購入したい場合は
海外株式が課税口座にあると利益に課税されてしまいます。

そんなとき、積立NISAで利益が出ている
海外株式投信を解約すれば、利益非課税で
リバランスが可能になります。

もちろんこれは従来のNISAでも可能ですが
非課税期間が20年と長いですので
より使いやすい制度といえるでしょう。

僕が使っている証券会社で積立てるなら
こちらからどうぞ。

現行NISAと積立NISAの比較まとめ

来年2018年(平成30年)から始まる予定の
積立NISAについて、現行のNISAと比較する形で
まとめてみました。

まだ始まってないですし、
詳細は変更になる可能性もありますが
投資はとにかく計画が大事です。

今から計画し、来年からスムーズに
始められるようにしたいですね。

つみたてNISAに関するこちらのまとめ記事も
ぜひご覧ください。

【保存版】2018年から始まるつみたてNISA、10のメリットとデメリット

そうそう。

投資の計画の前に、人生の計画がもっと重要です。

それだけで、投資なんかよりも遥かに上回る
成果を上げることだって可能なのですからね。

詳しくは以下から学んでください。

投資の前に学ぶべき人生の計画法

↓期間限定の無料コンテンツをお受け取り下さい

資産形成メルマガ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です