第4回東大ブロックチェーン講座振り返り「信用の積み上げと創発」

こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の林です。マネリテや株投資の話だけでなく、暗号資産やNFTの発信も積極的にしています。

今回は4月30日の第4回東大ブロックチェーン講座の振り返りです。

Web3は「分散型」と言われることが多いですが、この分散型というのは「互いに信用できない関係の複数人」からなるネットワークということです。そんな殺伐としたネットワークで、どうやって信用が作られていくのかを見ていきます!

過去の信用は「鎖」でできている

ブロックチェーンがなぜ信用できるのか?初めての方には大いに疑問ですし「信用してください」といわれる方が疑わしいですよね(笑)

とはいえ、ブロックチェーンのパイオニア、ビットコインは2009年にスタートして今日まで、一度も「嘘」をついたことがありません。一時的にブロックが却下されることはありますが、それも信用を維持するための活動です。

ではこの信用がいかに生み出されていくのか。その技術的背景を理解するのが今回の講義の肝です。

鎖で繋がれたブロックたちが、過去の信用を強固にする

ブロックチェーンという言葉の根源でもあるのですが、ビットコインは「ブロック」という1Mバイト程度のかたまりを1単位として扱います。2009年1月3日に最初のブロックが生成されてから執筆時点までに、841,587個のブロックが生成されました。

まずは最も古い、一番最初のブロックがこちらです。あまりにも有名な、Satoshi Nakamotoが生成したと言われるブロックです。このブロックを特別に「ジェネシス(創世)ブロック」といいます。

ついでこちらが、執筆時点での最新のブロックです。このブロックの後にも、平均して10分間隔で次々と新しいブロックが生まれています。

この一番最初のジェネシスブロックから最新までの84万個あまりのブロックが「全て鎖のように繋がれて」います。

どのようにつながっているかと言うと、直前のブロックの「ハッシュ値」が含まれているんです。ハッシュ値はそのブロックの内容を反映した固有のIDのようなもので、各ブロック毎に異なります。直前のブロックのハッシュ値をブロックに含めることで、全てのブロックが鎖のようにつながる構造をとっています。

ハッシュ値はただのIDではなく、ブロックの内容が変わるとハッシュ値も変わります。

ビットコインのブロックはこのハッシュ値が変わると莫大な再計算が必要になるように設計されています。具体的には正しい「ナンス値」と呼ばれる値を計算力の暴力で探すようなことを、しないといけません。

今、悪いことを考える人が、ある特定のブロックを改ざんしたいとします。ブロックの一部を改ざん(変更)すると、そのブロックのハッシュ値も変わります。

するとその改ざんしたいブロックのナンス値の再計算(=莫大な計算量)が必要になります。仮にそこまではできたとしても、ブロックの内容が変わるとハッシュ値が変わり、続くブロックは直前のブロックのハッシュ値を含むので、続くブロックの内容も変わり、そのブロックのハッシュ値もナンス値も修正せねばなりません。この修正が連鎖的に最新ブロックまで続きます。

つまり改ざんしたいブロックだけでなく、続くブロック全てのハッシュ値、ナンス値の再計算も必要になるわけです。

改ざんしたいブロックにつながる(より新しい)ブロック数を「ブロック高」といいますが、ブロック高が大きいほど、再計算に必要な計算量が膨大になります。これによりブロックの改ざんが事実上不可能になっているんです。

このように、ブロックチェーンは「信用の連鎖」になっています。深いところにある(古い)ブロックほど、再計算が大変です。過去のブロックの信用がどんどん増していく仕組みになっているんですね。

これを「信用の積み上げ」と呼ぶことにしましょう。実際の建物を想像してみてください。ブロックが上に積み上がっていくにしたがい、下のブロックが重みでどんどん強固になっていくイメージです。

新しい信用は「創発」される

以上は過去のブロックの話でした。ではこれから作り出すブロックは信用できるのでしょうか?新しいブロックが信用できなければ、それが繋がれた鎖も信用できなくなってしまいます。

詳しい話は省略しますが、もちろんここでも信用されるブロックを生み出す仕組みが採用されています。

ポイントは

  • 複数の計算機がつながる分散型のネットワークを採用。
  • 各計算機は、自分以外の計算機を「信用していません」
  • それぞれの計算機が、経済合理性を持つ一定のルールを知った上で自由に振る舞います。
  • 多くの計算機が経済合理的に動くことにより、全体として信用できる新たなブロックと、ブロックチェーンを生成します。

です。

一番面白いのが、各計算機は自分以外の計算機を全く信用していないことです。

それなのに、ネットワーク全体が賢く振る舞い、2009年1月3日から今日まで途切れることなく、信用できる新たなブロックが生み出され続けています!

これはもう、人類史上の快挙と言っても過言ではないでしょう。ビットコインのブロックチェーンは、誰かを信用することなく強固な信用の連鎖であるブロックチェーンを生み出すことができるという確証を、10分ごとに深めていってい るわけです。

信用しない、ことのもう少し深い考察

上のポイントで「他の計算機を全く信用していない」というところをもう少し深堀りしたいと思います。割と根源的なところですので。

計算機を信用していない、というのはプログラムを信用していないというよりは、その計算機を稼働させている人を信用していないということです。

「え、それはひどい。全くディストピアだな!」

と感じる人も多いと思いますし、僕も一時はそう考えました。でも今は真逆の考えに到達しています。

他人を信じない姿勢と、人類全体の可能性を信じていないことはイコールではありません

他人を信じることのできない理由は、ごく少数の人が嘘をつき、かつ嘘つきを事前に見破ることが難しいことに起因しています。大半の人は正直で素直に振る舞うのですが、ごく一部に嘘つきが混じるだけで誰も信用できなくなります。これはかの有名な「人狼ゲーム」を想像してもらえれば分かります。

ではそうした嘘つきに翻弄されるディストピアから、正直者が報われる世界にするにはどうすればいいのでしょうか。一定のルールの元に、素直に振る舞う人(計算機)が多い状況において信用を生み出すことができれば、嘘つきが混じる現実世界から、嘘つきを排除して信用を生み出すことができます。

これを実現しているのがブロックチェーンです。個々人(計算機)を互いに信用しなくとも、ネットワーク全体として良き振る舞いをすることで信用を獲得できる。この仕組みはとてもうまく動き、ブロックチェーンは今日もそのことを実証し続けています。

ちなみにビットコインブロックチェーンでも、計算機(計算量)の51%以上が嘘つきになると、ブロックが改ざんされてしまうリスクがあります。しかしながら2009年から今日まで改ざんが起きなかったことは、大半の人が「正直者」だということの証明です。

人類は正直者が多い。これが希望でなくて、何なのでしょうか?

ビットコインのマイニング報酬とは、嘘つきが存在する世界から信用を創造してくれた正直者に与えられる、勲章(報酬)なのです。

僕はそう理解しています。

第4回東大講座「信用の積み上げと創発」まとめ

東大ブロックチェーン講座第4回では

  • ブロックチェーンがまさに実際のブロックを積み上げるかのように、信用を積み上げていく仕組み
  • ネットワーク全体が信用を創発する仕組み

の解説がありました。

講座自体は高度で難しいですが、毎回とても有意義な気づきを得ています。これが無料で受けられるとは、感謝しかありません。

なんとか食らいついていきたいと思います。

次回からイーサリアムの話に入ります。こちらも楽しみです!

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