お金と経済と暮らしを結ぶ・ゆるトーク「GDP」前編

こんにちは。林FP事務所の林陽子です。

このシリーズは、その名の通り、私達の暮らしにお金の知識や政治経済のニュースがどう関わってわっていていくのかをみなさんと一緒に考えていくシリーズです。

表現がざっくりになることもありますが、極力わかりやすくをモットーに、お話しするようにしていけたらと考えています。

今回のテーマは、「GDP(国内総生産)」前後編でお伝えしていきます。

ニュースでよく聞き、なんとなく国の経済力を表す指標であることは想像できると思います。ここで、もう少し深掘りしていきましょう。

GDPの正式名称を確認

まず、GDPは「Gross Domestic Product」の略です。日本語にすると「国内総生産」です。

GDPをかなり簡単に言えば、一定期間に国内で生み出された「儲け」の合計額ということです。

国の経済規模を示し、以前のGDPと比較することでその国の成長率を測ることができます。

算出方法は?

かなりざっくりした式ではありますが、

国内総生産 = 消費支出 + 投資支出 + 政府による支出 + 輸出額 - 輸入額 で計算されます。

消費支出は家計による支出のこと、投資支出は企業による支出のことです。

日本では内閣府が計算していますが、実は詳しい計算方法は公表されていないそうです。

発表はいつされるの

日本のGDP値は四半期ごとに発表されます。企業の業績発表と同様に、各年を3ヶ月毎、4四半期に分けて発表します。

例えば最新のデータは2022年10~12月ですが、一時速報値は2月14日に、二次速報は3月9日に発表されました。

詳細はこちらのページで見ることができます。

内閣府・国民経済計算(GDP統計)

「GDP」で何がわかる?

経済成長を見ることが出来る

上で述べたように、GDPは一定期間の儲けの合計額なので、それを期間ごとに比較することで、GDPの「伸び具合」を計算することが出来ます。

これをGDP成長率、または経済成長率ともいいます。

求める計算式は

経済成長率(%)=(今年のGDP-昨年のGDP)/ 昨年のGDP × 100 です。

2022年の通年の日本の実質GDP成長率(※)を計算してみましょう。

2022年の実質GDPは545.794兆円、2021年の実質GDPは540.237兆円なので、
上の計算式に当てはめると、(545.794-540.237)/ 540.237 × 100 = 約1.03% となります。

2021年から2022年で約1%GDPが増えたということですね。

その国の経済規模がわかる

世界の各国がGDPを計算しているので、それを通貨を統一し比較することで、経済規模を比較したり、ランキングにしたりすることができます。

報道でもIMF(国際通貨基金)の経済見通しなどで名目GDP(※)の予測値や順位などをよく目にしますね。

後編では日本がどのような位置づけになっているかを見てみましょう。

(※)実質GDP・名目GDPの 実質・名目が何かについては後編で説明します。

そういえば、以前はGDPでなく、GNPを発表していなかった?

今では国の経済力の指標といえば「GNP」でしたが、前までは「GNP」でした。

この2つの指標はどう違うのでしょうか?

「GNP」は Gross National Product の略で、国民総生産ともいいます。

簡単に言うと、一定期間内に「国民が」生み出した儲けのことを指します。

先程の繰り返しになりますが、GDPは国内総生産、一定期間に「国内で」生み出された儲けの合計です。

つまり、両者は「国内で(場所)」と「国民が(国籍)」と集計基準に違いがあるということなのです。

具体的にどう違うかというと、例えば、

日本人が海外で働いて所得を得ている場合、その所得は
  GDPには含まれない GNPには含まれる のですが、

外国企業のが日本支店での利益は
  GDPには含まれる GNPには含まれない となります。

では何故、代表的な経済指標が、長く用いてきたGNPではなく、GDPに移り変わったのでしょうか。

日本は戦後の高度経済成長を経て、徐々にグローバル化が進んできました。

それにともなって日本人や日本企業が海外に進出、また海外の企業も日本での経済活動を増やしたため、「国民」総生産であるGNPでは正確に経済状況を捉えることが難しくなってきたのです。

そこで、GDPを用いることによって、国内での状況も併せて把握するようになってきました。そしてついに1993年(平成5年)より、正式に指標をGDPとするようになったのです。

今回の前編はここまで。前編では、GDPとはどういったものか、概要を解説しました。後編は、もう少し内容を深掘りして、日本の状況についても見ていきましょう。

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