「余計なことをやらない」ことの大切さ
投資で利益を上げる方法はいろいろあります。
FXで数分程度の間隔で売り買いしたり
株の売買を数日単位で繰り返したり。
(これらを投資というかどうかについては
ここでは議論しないことにします)
あるいは投資信託を買って値上がりを待ったり。
方法は様々にあるのですが、
長期投資においては、
「余計なことをしない」というのも
かなり重要になってきます。
「何もしない」が難しい人間心理
例えば今、株式市場が暴落したとします。
暴落であるか否かは個人の主観による部分もあるのですが、
少なくとも主観として、手持ちの株式や
株式ファンドも一緒に暴落した、としましょう。
新聞やメディアが経済危機について
日々報道するなかで、果たしてあなたは
何もせずにじっとしていられるでしょうか。
これを想像する場合は、最初に想像した損失の、
さらに倍の損失を想像してください。
では逆に、暴落も暴騰も、なにもない
状態がずっと続いているとします。
あなたの手持ちの株価は毎日微動だにせず、
少し上がっては下げ、少し下がっては上げる。
こうしたはがゆい日々が続いていく中で、
証券会社からは、
「3年連続で上昇率トップ!」
などといった投資信託の勧誘が毎日のように届く…。
ちょっと意地悪な書き方をしましたが、
決して空論なんかではなく、
実際に十分起こりうる話なのです。
実は、長期投資において、余計なことをすればするほど、
それだけ多くのコストを支払うハメになります。
過去の研究から
アクティブに売買する個人投資家は、バイ&ホールドの投資家に比べて
20〜40%程度利益が低下することが分かっています。
ハラハラドキドキしながら、自分の時間を削った上に、
利益まで低下するのではまったく割に合いませんね。
余計なことをしない仕組みを作っておく
人は暴落時や暴騰時になにもしない、
ということはなかなか難しいのです。
行動心理学的に言えば、集団心理に
飲み込まれるということです。
逆に、なにもないときに何もしないということも、
これまた意外と難しい。
欲望が、余計なことを考えさせるんですね。
ヒトというのは本当に、厄介な存在ですね。
ただし、対策はあります。
一つは、こうした心理を理解した上で
予防線を張っておくことです。
例えば
- なぜ投資を始めるのか
- 投資のポリシーはなんなのか
- ポリシーを曲げないといけないなら、それはなぜか
ということを、投資を始める段階で
文書にしておきます。
また、何かしらの変更があるたびに、
それをきちんと記録に残し、
当初の文書と一緒に保管します。
これらをきちんとルール化しておく。
これだけでも、かなりの抑止効果があるでしょう。
文書にするという行為自体が、
感情的になって混乱した頭を整理し、
冷静な判断を促す効果があります。
投資という行為を自分との戦いとみなすなら、
未来の自分が折れてしまわないような、
仕組みもまた必要なのです。