FiNANCiE(フィナンシェ)のトークン価格決定の仕組みを知ろう
こんにちは、林です。
Web3型のクラウドファンディングプラットフォーム、FiNANCiE(フィナンシェ)。フィナンシェではクラファン応援するとそのプロジェクトのトークンがもらえます。このトークン価格がここ最近急上昇しており、注目を集めています。
ですが、このトークン価格がどう決まり、どう値動きするのか、その仕組みを知る人は少ないように思います。フィナンシェで機動的な売買をしたい方はこの仕組みを知らないと大損する可能もありますので注意してください。
この記事では、フィナンシェのトークン価格がどのように決まるのかその仕組みについて解説します。
目次(タップでジャンプ)
フィナンシェでトークンを売買する仕組み
実際のトークン売買のステップはこちらの記事をご覧ください。
本記事ではトークン価格が決まる仕組みにフォーカスしますね。
結論からいうと、フィナンシェでは「流動性(りゅうどうせい)プール」に対してトークンを売買します。暗号資産をあまり知らない方は流動性プールと言われてもピンと来ないかも知れません。
ということで、以下流動性プールについて解説します。
流動性プールとは、トークンと円の「保管庫」だと考えてください。あなたがトークンを買いたい、つまりあなたから見ると円を渡してトークンをもらうという一連の流れが、この流動性プールの相手に対して行われます。
流動性プール側から見ると、あなたから受け取った円をプールに保管し、代わりにプール内にあるトークン在庫の一部をあなたに渡します。これでプール内の円が増加し、トークンは減少します。トークンを売る人が現れれば、この逆の動きになります。
フィナンシェではトークンを購入するのに「FiNANCiEポイント」を使います。1ポイント=1円ですので、以下円と同様にみなして説明します。
流動性プールからトークンを買う流れ
フィナンシェでトークンを買う流れがこちらです。トークンを買うのにポイントが必要になりますので、事前にポイントを用意しましょう。
流動性プールにポイントを渡して、その対価としてトークンを受け取ります。その際、ポイントの10%が手数料として差し引かれ、フィナンシェとプロジェクトに渡ります。
流動性プールにトークンを売る
逆にフィナンシェでトークンを売る流れがこちら。
トークンを買うのと逆方向の流れですのでほぼ説明不要で理解できるはず。ただしポイントではなく円で帰ってきます。
トークンを換金するようなイメージですね。
売る場合も円の10%が手数料として差し引かれます。買う、売るの往復で20%の手数料がかかりますので、頻繁に売買するとそれだけで大きなコストがかかってしまいます。注意しましょう。
流動性プールでトークン価格が決まる仕組み
これでトークン売買の流れは理解できたと思います。ではトークン価格は一体いくらになるのでしょうか。
流動性プール内の2つの通貨、この場合トークンと円の間には次の関係があります。
(トークン数量)x(円数量)= 一定値
右辺の一定値が常に成立するように、流動性プール内のトークン数量と円数量が変化します。トークンを購入すると流動性プール内のトークン数量が減って円数量が増え、トークンを売却するとトークン数量が増えて円数量が減ります。いずれの場合も、両者を掛けた値は同じです。
この式から分かる通り、トークンが買われてトークン在庫が減ると、逆に円の在庫が増えて単価が急上昇していきます。
このトークン在庫とトークン価格の関係を図示するとこんな感じになります。
ここで一定値がいくらになるかということですが、プロジェクトによって異なります。
- 初期のトークン在庫数量→20万トークン
- 初期の円在庫数量→初期サポーター(クラウドファンディング)で集めた資金の10%
の掛け算で決まり、以後追加のサポーターを募集するまでこの数字が使われます。
CNGの事例で計算
事例で見てみましょう。例えばCNG(CryptoNinja Games)の場合
- 初期のトークン在庫数量→20万トークン
- 初期の円在庫数量→初期サポーター200万円の10%、20万円
なので、CNGの一定値は20万x20万=400億となります。
以後この数字をキープする形でトークン数量と円数量が管理されます。CNGは初期からほぼずっと買い続けられて一時1トークン1,000円にタッチしました。
この例のトークン在庫数8,517トークンと1トークン551.3073円から計算した円在庫4,695,484円をトークン数に掛けると、399.9億とほぼ400億になります。0.1億は恐らく計算誤差だと思いますが、この事例で一定値が流動性プールで正しくキープされていることが分かりましたね。
流動性プールのメリットとデメリット
なんだか難しいなぁ、なんでこんな面倒くさい仕組みにしてるの?と思われるかもしれません。もちろんこれにはメリットがあるからです。逆のデメリットもありますので両方確認していきましょう。
メリット
いつでも好きなタイミングで売買できる
値幅制限(ストップ安、ストップ高)にかからない限り、いつでも好きなタイミングでトークンを売ったり買ったりできます。これが流動性プールの最も大きなメリットです。
株式市場のような板取引では、相手方(買いなら売り、売りなら買い)がいなければ売買が成立しません。売買が成立しないリスクのことを流動性リスクといいますが、この流動性リスクは想像以上に大きいです。特に知名度が低いプロジェクトの場合は参加者が少ないため、流動性リスクが大きくなりがちです。
フィナンシェはこの流動性リスクを流動性プールを使うことで大幅に緩和できるのがメリットです。
売れなくなる・買えなくなることがない
上のメリットと似ていますが、流動性プールがあれば、値幅制限にかからない限り「必ず」売れます(買えます)。
不人気のNFTなどではよくあることですが、買い手が全く現れないと、NFT価格をどんなに下げても売れません。これは相対取引である以上、相手がいないと売れないからです。しかし流動性プールがある限り、誰一人買わなくても、流動性プールに対してトークンを売ることができます。
もちろんこれは損失が出ないという話ではありません。購入価格より低い価格で売れば損になります。さらにフィナンシェの場合、買いでも売りでも手数料10%が必要ですので、利益が少なくなりがちです。
それでもなおいつでも売れることにメリットがあります。例えば損失を計上できますので、他の利益と相殺すればその分節税できます。
デメリット
流動性プールのトークン在庫が少なくなると価格変動が激しくなる
デメリットと言えるかは分かりませんが、上で説明した価格決定ロジックから、トークン在庫が少なくなればなるほど価格変動が激しくなります。
例えば上のCNGの極端な場合を考えてみます。
CNGトークンの在庫が1トークンになったとき、価格は400億円になります。ここに1トークン売る人が現れ、流動性プールが2トークンになると、円の在庫が200億円となり、1トークン100億円となります。なんと1トークン売るだけでトークン価格400億円が100億円と、マイナス75%となります。
これはあまりに極端な例ですので実際にはさすがに起きないと思いますが、理論的にはありえます。ここまで極端でなくとも、在庫が少なくなるとトークン価格の変動が激しくなるので注意しましょう。
フィナンシェのトークン価格決定ロジックのまとめ
以上、FiNANCiE(フィナンシェ)のトークン価格の決定ロジックや流動性プールの特徴について解説しました。
ポイントをまとめると
- トークン価格は、流動性プール内のトークン在庫量と円の在庫量によって決まる。
- 流動性プールのおかげで、値幅制限にかからない限りいつでも売れる。誰一人買わなくとも売れないということがない。逆も同じ。
- 流動性プールのトークン在庫が少なくなると価格変動が激しくなっていくので注意。
となります。
トークン価格の決定ロジックを理解して、フィナンシェで楽しくトークンを売買してみましょう。
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