家計の合理化が資産構築への近道。あなたの支出は「平均」で大丈夫ですか?

こんにちは。林FP事務所の林です。

実質給与が低下し、消費が伸び悩んでいます。

マクロ経済はともかくとして、個人としての感覚でも
節約志向が強まっているのではないでしょうか。

でも、一口に節約といっても闇雲にやってもうまくいかない割に
生活が何となく苦しく感じてしまうと思います。

そこで、まずは支出の「平均」を知り、
その上で戦略を立てていきましょう。

中には、平均に従うとよくない費目もありますよ。

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家計支出の平均とは

家計の各費目について、平均値データがありますので
表にまとめてみます。
(縦長でちょっと見にくいですが)

月平均の家計支出(二人以上世帯)
  月平均支出額(※1,※2)
食料 68,604
  外食以外 56,800
  外食 11,804
住居 18,262
光熱・水道 23,240
  電気 10,674
  ガス 5,579
  その他光熱 1,833
  水道 5,154
家具・家事用品 10,325
被服および履物 11,756
保健医療 12,763
交通・通信 41,433
  交通 5,584
  自動車関連 23,729
  通信 12,120
教育 11,539
教養娯楽 28,959
民間保険 34,667
  生保(掛け捨て分) 18,583
  生保(個人年金) 16,083
その他支出 63,573
  諸雑費 23,646
  こづかい 11,095
  交際費 22,942
  仕送り金 5,890
合計 325,121
住居を除く合計 306,859

(データ元:※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」2013年、および生保データは生命保険に関する全国実態調査<速報版> 2012年より。)

住居費は人によって変動幅が大きいと思うので
一番下に住居を除く合計を計算しています。

実際にはこの支出に加え、社会保障費、住居費(ローン)、
その他保険等の費用が入りますので支出額はもっと膨らみます。

では、一つずつ見ていくことにしましょう。

節約のしどころとは

まず節約とはなんぞや?ということですが、
僕は「支出の合理化」だと定義しています。

合理化ですから、合理化後の支出の増減は原則、関係ありません。
例えば次の二つはいずれも合理化の範疇です。

  • 生活を変えずに、支出を減らす
  • 支出をそのままに、生活の質を上げる

もちろん、この二つの中間もありますし、
支出が増える節約というのもあります。

大抵、合理化すれば支出は減りますが、
それは単純に無駄なものやサービスに
漫然と支出していたという事実に過ぎません。

一方、よくない節約(合理的でない支出減らし、いわゆるケチ)とは
支出を減らした分かそれ以上に生活の質や満足度を落とすもので
それはやるべきではありません。

例えば「安かろう、悪かろう」であったり、
10円節約するのにいつもより遠い店に出かける
といったのがケチの代名詞ですね。

もしかしてこういう経験、
ありませんか?

これは本当の意味での節約とは違いますので
明確に区別しておいてください。
ここを間違えると、

「支出が減ったのにどんどん貧乏になる」

という状況に陥る場合がありますので
注意しましょう。

さて、節約の定義がわかったところで、
では実際にどのように家計を改善していけばいいんでしょうか。

家計の中身は人それぞれ、バラエティ豊かですので
なかなか一概には言えない話ですが、平均値を見ながら
一般的に「良い節約ができそうなこと」について
見ていきましょう。

まず、食費から保健医療の項目については
あまり削る部分はなさそうです。

二人以上世帯でこの食費であれば贅沢でもないでしょうし
住居はそれぞれ、光熱水費も普通に暮らしていれば、
恐らくこれぐらいにはなってしまうでしょう。

節約部分があるとすれば、外食をちょっと減らすぐらいかなと思います。
ここは個々人の価値観の範疇かと。

交通・通信

さて、最初に大きな支出がこの交通・通信。

一番大きいのは自動車関連ですね。
ただ、この費目は自動車を持っていると必ず発生してしまうもので、
結局車を持つか、持たないか、という二択になると思います。

以下、個人的な経験で恐縮ですが
車を持つ時期と、持たない時期を両方経験しましたし、
小さい子供がいるときに車が無い時期もありました。

が、結論としては車は無くても大丈夫、でした。

というのも、車が必要なお出かけはカーシェアがあれば事足りますし
緊急時はタクシーを呼ぶなりすればいいからです。

というか、都市部とその近郊であれば公共交通機関が便利すぎて
それ以上の移動手段は不要だなと思いました。

タクシーなんて高価だと言うかも知れませんが
タクシーが必要な場面はほとんど発生しません。

それよりも、毎月の支出が減らせて
かなり気楽になったのを憶えています^^

住む環境にもよるのでもちろん個人の判断になりますが、
資産を増やそうと思うなら、自分の生活に本当に車が必要かどうか、
一度検討してみるのも楽しいと思います。

正直、公共交通機関の維持費用に税金を払っているので、
高い税金を払ってさらに車を持つのは…?

あと通信費ですが、まぁ1.2万円ぐらいは妥当かと思います。
一般的にケータイ代が高いので、格安SIMを検討すれば、
さらに効果的に下げられると思います。

家族4人でiPhone(大手キャリア)4台持ち…なんてのは
贅沢だということが分かります(笑)

教養娯楽+その他支出

両方合わせて9.2万円、全体の約3分の1もあって
結構じゃぶじゃぶな部分です(笑)

でもまぁ、娯楽が無ければ生きていけない!
という価値観の方もおられるかもしれませんので、
なんとも言えない部分でもあります。

それにしても、もう少し減らせるとは思います。

中でも諸雑費と交際費は合わせて4.6万円になりますが
多分、家計が捕捉しきれていない漏洩支出だと思われます。

予算を決めるか、家計をしっかりつけるかすれば、
生活の質を落とさずとも数万ぐらいは減らせそうです。

民間保険

ここが一番、生活の質を落とさずに節約できる部分です。

一般的な稼ぎの世帯で、掛け捨て保険月額2万弱はかけ過ぎでしょう。

また個人年金部分も見なおしたほうが良い場合がほとんどだと思われます。
ここは貯蓄に相当する部分ですが、保険よりは素直に貯蓄や国債などの
無リスク資産で資産を準備するほうが一般に合理的(お得)です。

いずれにしても、民保月額3.5万円はかけ過ぎの印象ですね。

保険に関してはこちらの記事
保険のかけ過ぎは家計を危うくする?生命保険の情報武装をして家計を守ろう。
も参考にしてください。

保険料は年々低下傾向で、保険の合理化は
少しずつ浸透はしていると思います。

ですが、まだまだジャブジャブのようですね。

年金保険は資産性があるからそのままでいい、
というような無責任な発言をする人もいるようですが、
そのままでいいかどうかは、保険以外の金融商品とも
比較しなければ、分からないはずです。

(しかも、その場合は現在価値等の同一尺度で比較すべきですし、
さらにこれまでに払った保険料(サンクコスト)は無視すべきです。)

「今までの保険料が勿体なくはないです?」

などという引き止めは、売り手の都合でしょう。

保険以外の商品とも比較をすれば、
保険が損という可能性が大いにあるため
きちんと見直しをしたいものです。
(個人的には保険で資産を準備するのは損となる可能性が高いと考えます)

なお、保険は収入の1割という話もチラリと耳にしますが、
それはざっくりしすぎていますし、しかも
一般に収入が増え、貯蓄が増えればそれだけ保障額も減らせますから
収入の1割というのはかなり乱暴な方針です。

注意しましょう。

保険の収入1割説は、個人的には
売り手側の都合だと思いますし、
通常はそんなに必要ありません。

キャッシュバック

費目別ではないですが、クレジットカードによる
キャッシュバックも節約に有効な方法です。

使いすぎの心配が少ない食料、光熱水費、交通、通信費を単純に合算すれば
月13.3万円、年間で160万円にもなります。

このうち1.5%がキャッシュバックされるとすると、
年約2.4万円になりますから、無視できる金額ではないですね。

生活の質を落とす必要も無いので
うまく活用したいところです。

本当の金持ちの特徴はご存知?

こんな記事がありました。

ファミレスに異変、節約志向で客足鈍る|日経新聞電子版

やはりみなさん、節約に余念がないようですが、
気になったのは高価格単価の客は減っていないとのこと。

記事中には「桜新町店(東京・世田谷)の駐車場は、
平日昼からベンツやBMWなど高級外車がずらり並ぶ」

とありますが、むしろこちらのお客さんの方が
先行き心配になります(まったく余計なお世話ですが)。

というのも、良書「となりの億万長者
」によれば
億万長者(金融資産100万ドル以上)には
ベンツやBMW等、いわゆる高級車の所有者はあまり居ないようなんです。

さてこれが何を意味するのか…?

まさに「アリ」と「キリギリス」。

もちろん、お金持ちというのはケチとは違い、
出すべきところにはちゃんとお金を出します。

そのメリハリの効かせ方が上手だ、
というわけですね。

資産構築法なんて、どれも一緒だと思っていませんか?
右へならえでは、資産はできませんよ…。

他人のことなど気にせずに
着々と資産を構築していきましょう。

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