お金と経済と暮らしを結ぶ・ゆるトーク 「消費者物価指数」

こんにちは。林FP的事務所の林陽子です。

このシリーズは、その名の通り、私達の暮らしにお金の知識や政治経済のニュースがどう関わってわっていていくのかをみなさんと一緒に考えていくシリーズです。

表現がざっくりになることもありますが、極力わかりやすくをモットーに、お話しするようにしていけたらと考えています。

今回のテーマは、「消費者物価指数」

最近生活に直結していることと言えば、ものの値段が上がっているということではないでしょうか?買い物に行ったり家計簿をつけていれば、なんだか出費が多いなぁということはわかります。では、正確にはどれくらい?何の値段がが上がっているのか?はわかるのでしょうか。

実は統計として、毎月政府から報告されています。
「消費者物価指数」やそのニュースを正しく理解できるように、深掘りしていきましょう。

「消費者物価指数」のあらまし

CPI(Consumer Price Index)ともいいます。

消費者が購入するものやサービスの価格がどれくらい変動しているかを示す統計指標です。

総務省から毎月発表されています。ニュースでも取り上げられますし、誰でもインターネットで閲覧する事ができます。

まず中旬速報値として東京都区部の情報がが該当月の末頃に発表され、全国の集計が次月の20日前後に発表されるというスケジュールになっています。

現在時点で、一番新しいものでは2月分の速報値(東京都区部)で3月3日発表、全国集計は1月分が2月24日に発表されています。

ニュースを見てみよう

ニュースではよく、「消費者物価指数(CPI)は生鮮食品をのぞく総合指数が〇〇〇で前年同月より〇%上がった。」

という文言で報道されます。

この、総合指数とは何でしょうか。

総合指数の計算

ものの値段を基準時と比較時(現在)で比較し数値で表したものです。

現在総務省が発表している総合指数の場合の基準時は2020年です。2020年の物価を100とし、今の物価がどれくらい変化しているかを計算します。

例えば、
基準時(2020年)に20,000円のものを今買うと21,000円だったとします。

この場合、指数の計算はこのようになります。

つまり、2020年から物価が5%上昇したということになります。

このように、指数で表された数字は2020年との比較で、前月や昨年との比較ではない、と踏まえておけば良いでしょう。今は2023年なので、約3年前との比較になりますね。

そしてニュースでは多くの場合、前年同月と比べた変動もセットで報道されます。この2つの数字で、どれくらいの物価変動があったかがわかります。

2月の物価変動を見てみよう

では実際の総務省の2月分、中旬速報値を見てみましょう。

  ※参照はこちら「消費者物価指数・東京都区部 2023年(令和5年)2月分(中旬速報値)」PDF

総合指数は104.1ですが、生鮮食品を除くと103.7、さらにエネルギーを除くと102.7となっています。

どうして生鮮食品とエネルギーを除いた数値を発表しているのかですが、生鮮食品は天候などの要因で値動きが激しい、エネルギーは原油価格の影響を受け、海外での状況が値動きの原因になるためです。これらを除くことで、物価変動の基本的な動きが把握できるということです。

2020年に比べ全体的には4%上昇ですが、生鮮食品等を除くと少し少なくなるのは、生鮮食品やエネルギーの上昇具合がそれ以外に比べ大きいということにもなります。

前年同月比はいずれも3%前半の上昇となっています。昨年より全体的に3%上昇したのはものの値段が全体的に上がっている実感と一致しますね。

1月の前年同月比は全体では4.3%、生鮮食品を除いた指数では4.2%の上昇だったため、物価は上がっているけれども、上げ具合は少し抑えられて来ているとも言えます。

具体的には何の物価が上がっている?

総務省の報道資料では、具体的に何の値段が上がっているかも発表されています。前年同月との比較、前月との比較があるため、この資料一つで数年前との比較、1年前との比較、直近の変動まで、よく分かるようになっています。

先程の2月の速報値を見てみると、前年同月との比較では水道光熱費の上昇がかなり大きく14.9%で値上げがかなり家計に打撃を与えているのがわかります。他では食料全体が7.3%とかなり上昇幅が大きいです。

まとめ

今回はニュースや統計で何がどこまでわかるのか?指数の数字はどういう意味があるのか?を見てきました。

統計を見て、このところの物価上昇の実感が裏付けされた結果となり、家計や今後のライフプランを考えていく上でも大きな課題となりそうです。

次の機会では、物価上昇に負けない家計をどうつくっていくか考えていきましょう!

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