新年に考える、「健康な体と家計」をつくるには?
こんにちは。林FP事務所です。
令和最初の年末年始が過ぎました。
新年を迎え、気持ちも新たになり、今後の目標を掲げた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者もファイナンシャルプランナーとしてよりよい一年を過ごし、また、これから来るライフイベントに備えるためには、仕事の在り方や家庭生活をどのようにすれば良いか考えました。
色々な目標がありますが、今回、初めて考えが至ったのは「健康を維持増進するために気を付けることは、お金を使いすぎないことにもつながるのではないか」ということです。
今回は、健康を意識したお金の使い方について考えをシェアしたいと思います。
目次(タップでジャンプ)
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健康寿命とは?
皆さまは老後をどのように過ごしていきたいですか?
経済的に安心して過ごせるためにライフプランを作成し、余裕を持てるよう計画することももちろん大切ですが、元気に生活を楽しめるように健康を保つことも重要ですよね。
数年前から、「健康寿命」という言葉をよく聞くようになりました。
健康寿命とは、普段の生活の動作が障がなく出来、日常生活に制限がない期間のことを指し、年齢で示されます。つまり健康寿命から平均寿命までの年齢差が不健康な期間ということになり、生活を送るために介護を含めた助けが必要になってくるということなのです。
厚生省の資料によれば、平成28年の平均寿命と健康寿命の差は下記のようになっています。
厚生労働省HP 第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料より著者作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196943.html
(2020年1月15日アクセス)
このデータから分かることは、平均で10年前後何らかの助けが必要な期間があるということです。意外に長いと思われる方もいらっしゃるでしょうね。
ただ、実はこの「差の期間」は年々減ってきています。この6年前の平成22年では、男性は9.13歳、女性は12.68歳でした。健康に対する意識や志向のの変化が影響しているのでしょう。
では、健康寿命の伸びが家計や老後費用にどのような効果があるのでしょうか。
考えられることには、
- 介護費用の減少
- 医療費の抑制
- 働ける期間の延長
などがあります。
具体的には、
生命保険文化センターの過去3年間に介護経験がある人に対する調査では、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、一時費用(住宅改修など)の平均が69万円、月々の費用が平均7.8万円となっています。
この数値は平均値なので当然個人差があります。なのであくまでも目安ではありますが、仮に介護期間を1年間減らすことが出来れば、約93万円も介護費用を減らすことができます。
また、働く期間を延長することで、当然収入が増えます。年金改革では高齢者の雇用促進も後押ししており、年金を多く受け取ったり(繰下げ受給)といった恩恵が受けられるようになるかもしれません。
健康寿命を延ばすには何に取り組めば良い?
では、健康な期間を増やすためにはどのようなことに気を付ければ良いでしょうか。
厚生省の資料、「健康手帳」によれば、健康増進のために気をつけることについて下記の項目が挙げられています。
- 生活習慣病を防ごう
- 適切な食生活を目指そう
- 適度な運動をしよう
- 十分な睡眠をとろう
- 禁煙しよう
- お酒と上手に付き合おう
- 歯・口腔の健康を守ろう
なるほどとうなずける項目ばかりですが、この中で無理せず取り組め、経済的にも効果があるようなことは何か、考えてみましょう。
今から取り組めることは?
健康診断を受けること
生活習慣病の予防や病気の早期発見は当然、医療費の削減にもつながります。
体の健康診断もですが、歯科医もかかりつけを持ち、定期的にケアすることで健康な歯を維持することができますね。
また、健康に気を付けることによって、税金を減らせる制度があります。2021(令和3)年末までの限定ではありますが、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」という所得税、個人住民税を減らせる制度です。
これは、
- 健康診断や予防接種などを受けている人が
- 一定の医薬品(スイッチOTC医薬品)を一年間の間に1万2,000円を超え購入した場合
- 超えた分の金額を確定申告で申告することにより(上限8万8,000円)
税金を減らすことができる制度です。
本来の医療費控除との併用はできないなどの制約はありますが、制度対象医薬品を購入するとレシートに記載がありますので、保管しておくと節税に役立つかもしれません。
詳しくは、厚生労働省HP セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)についてをご覧ください。
食品ロスを減らすこととバランスの良い食事
食料品を買いすぎて古くなってしまい、結果的に捨ててしまう「食品ロス」が世界的に問題となっています。食料がもったいないということと同時に、環境にも悪影響を与えているためです。
農林水産省の調べによれば、日本ではまだ食べられるはずだが捨てられている食品が年間643万トン(2016年推計値)あるそうです。これは国民一人当たりにすると年間51kgで、年間一人当たりのお米の消費量に相当するとのことです。
そして、これは外食産業や小売店だけのものと思われがちですが、実は家庭からも多く出ているのです。上記の643万トンのうち事業者からの廃棄は352万トン、家庭からは291万トンで、家庭からの分は約45%にものぼります。半分とはいかないまでもそれに近いということは、私たちが食べているご飯の半分の量に相当する食材を家庭から捨ててしまっているということになります。
であれば、家庭で食品ロスを減らすことで、無駄に使っている食費も減らすことができるのではないかと考えられます。家計にも効果があるのではないでしょうか。
食料品を食べるだけ買い、残さず捨てずに食べきることは食費をスリムにします。
そして食品ロスを意識して、冷凍や事前に下ごしらえをしておくなどの工夫で食材を新鮮なまま、バランスよく食べることは健康にもつながります。
筆者は今まで食品はなるべく捨てないよう気を使ってきたつもりだったのですが、やはり食材を一部使いきれなかったこともありました。しかしこの結果を知り、家計面でも、健康面でも効果があるのであれば、食品ロス削減やバランスの取れた食事に対してきちんと取り組んでいくべきだと感じました。
早速お正月休み明けから、残してしまいがちな野菜をどれだけの種類食べているかチェック表を作成しチェックしてみました。現状を知ると同時に、とりあえずは栄養素にこだわらず多くの種類の野菜を献立に入れていくことが目標です。
その結果、思ったより使っている野菜の種類がが少ないことがわかりましたが、チェックすることで作り置きおかずを考えたり、一品増やすことを意識できるようになりました。
このチェックは今後も続け、買い物の無駄をなくしつつ、豊かな食生活で健康増進を進めていきたいと思います。
まとめ
健康とお金の関係について、考えられることを述べてみました。
今回挙げたことは、経済的な効果としては比較的少なく、大きな資産づくりとは違い細かいことの積み重ねになります。しかし、こういったコツコツしたことが健全な家計や体づくりの土台となっていくと思います。
健康に留意しながら無駄を省いていくことで、まずは今年一年、元気に、そして安心できる暮らしをしていきたいですね。