まだ変額年金保険なんかに手を出してるんですか?ダメですよ。
こんにちは。林FP事務所の林です。
「うわぁ、こんなにお得な商品があるなんて!」
変額年金保険を喜んで
契約した方から聞かれる感想です。
死亡時の保障は付くし、過去の実績から
年◯%の利回りで満期時には元本を上回って…
という想定の話でワクワクする。
とまぁ、そういった商品ですが、
でもそれ、ほんとにあなたのための
商品ですか…?
利益相反は常に存在する
変額年金保険については、過去記事で
検証したことがあります。
↓
変額保険はあくまでも保険で、決して運用ではないということを確かめた一件。
結論だけ抜粋すると、推定されるコストだけでも
これだけの数字になっていました。
経過年数 | 保険料累計(万) | 解約返戻金(万) | 理論資産額(万) | 経費(万) | 経費年率(単利) |
---|---|---|---|---|---|
5 | 125 | 70 | 125 | -55 | -8.8% |
10 | 250 | 161 | 250 | -89 | -3.6% |
15 | 375 | 238 | 375 | -137 | -2.4% |
20 | 500 | 312 | 500 | -188 | -1.9% |
25 | 625 | 381 | 625 | -244 | -1.6% |
30 | 625 | 325 | 625 | -300 | -1.6% |
経過年数 | 保険料累計(万) | 解約返戻金(万) | 理論資産額(万) | 経費(万) | 経費年率(単利〜複利) |
---|---|---|---|---|---|
5 | 125 | 86 | 145 | -59 | -8.1% |
10 | 250 | 232 | 345 | -113 | -3.3% |
15 | 375 | 418 | 628 | -210 | -5.5% |
20 | 500 | 674 | 1025 | -351 | -4.0% |
25 | 625 | 1028 | 1580 | -552 | -3.0% |
30 | 625 | 1376 | 2363 | -987 | -2.0% |
30年で経費が1000万円近くですか…。
中古市場なら、家が1軒、買える金額ですね。
資産額に対して、ものすごい額の
経費になっていることが
お分かりいただけると思います。
信託報酬も込みの経費と思われますが、
30年間、2%もの経費がかかり続けては
さすがに話になりません。
相変わらず、変額年金保険がお勧めと
いっているFPなどもいますが、
手を出したらダメですよ。
変額年金保険の仕組みが悪いと言っているのではなくて、
見えにくいコスト構造が問題なんですね。
結局、売り手がかなり儲かる
商品になっている可能性が濃厚で、
契約者のメリットはほとんど見受けられません。
「死亡保障が付いているから」
と反論されるかもしれませんが、むしろ長期間、
死亡保障額が一定というのは、アウトでしょう。
通常、必要保障は年を追うごとに減るはずです。
FPなら誰でも知っている話です。
このような経済合理性の極めて低い商品を
FPが斡旋・販売する事自体、信じられませんが、
まぁ現実はお金の専門家ではなくて
お金「儲け」の専門家というところでしょうか。
以前、こちらの商品についても
警告しましたね。
↓
https://h-fpo.com/?p=6930
物事の本質は、同じことです。
手を変え品を変え、同じことが
ずーっと行われています。
アドバイスですが、
簡単な対策があります。
商品コストについて詳細を開示できない金融マンや
FPの言うことは聞かなくてOKです。
金融商品を斡旋、販売するのに、
その手数料やコストを隠すというのは、
とても誠意ある態度だとは思えません。
誤解のないように加えておきますと、
僕は儲けちゃいけないと言っているのではないんです。
そりゃ商売ですから、
正当な対価を得るのは当たり前の話です。
子どもじゃないんですから(笑)
でも「正当な対価」というならば、
「これこれこういうサービスや商品の対価として、これだけの報酬を頂きます」
と言って、金額を明らかにし、正々堂々ともらえばいいんです。
それでお客様が納得しなければ、
しょせんそういう商品ということでしょう。
100歩譲って、この条件なら検討してもいいかも…?
- 変額保険のコスト構造を開示してくれる
- 変額保険販売による手数料を開示してくれる
もしそこまでやってくれるようなFPであれば、
信頼出来るかもしれません。
米国(?)だったか、記憶が曖昧ですが、
手数料も開示して契約するなら、
相談料という扱いが認められる
という国もあるそうですから、
商品手数料を開示できるなら、
それはそれでOKなのかもしれません。
ただ、変額年金保険のコストを目の当たりにしてしまったら
恐らく契約する気になれなくなるとは思いますが…。
まずは確定拠出年金で。
変額年金保険といっても
中身は普通のインデックス運用ですから、
なにも特別なものではありません。
普通の人が、普通の証券会社で、
できる話です。
では少し工夫して、2017年からは
個人型確定拠出年金の適用条件も
拡大するので個人型確定拠出年金で
運用してみてはどうでしょうか。
個人型確定拠出年金のメリット、デメリットは
こちらの記事にまとめましたのでご覧ください。
↓
https://h-fpo.com/?p=4235
運用管理機関(口座)にもよりますが、
基本的に変額年金保険と同じことができますので、
大丈夫です。
とにかく一番のメリットは節税です。
- お金を出す(拠出)時、所得控除できる
- 運用中、確定利益は非課税
- 給付時、退職金か年金扱い
節税のメリットを、なめたらいけませんよ。
節税だけで、年1%とか、2%とか、3%とか、
(※ 収入や拠出の条件によります)
それぐらいの運用益の向上効果が見込めますので。
これ、変額年金保険で追加のコストを取られるのと、
節税効果で1%とか、2%とか、3%とかの
ボーナスが付くのと、どちらが成功しやすいか
って話です。
それはもう、考えるまでもないですよね…。
よく、保険のセールスでは
「強制的に貯めて(運用)するから、つい使ってしまう人に向いている」
といいますが、それ、確かに僕もそう思います。
だから確定拠出年金にしてください。
確定拠出年金なら、
原則60歳まで払い出しできませんから、
つい使ってしまうのを防ぐメリットも享受できます。
変額年金保険なんかに
手を出しちゃダメですよ。